山花准教授と秋山教授の研究グループが古代エジプトの「ファイアンス」再現に成功しました

2018年09月10日

文化社会学部アジア学科・山花京子准教授と工学部応用化学科・秋山泰伸教授の研究グループがこのほど、古代エジプトで装飾品や護符などに使われていた「ファイアンス」の製法を解明。これまで、不可能とされてきた立体造形物の復元に世界で初めて成功しました。この研究成果は、9月4日から7日までトルコ・イスタンブールで開催された学会「国際ガラス歴史協会」で、山花准教授が発表。各国の研究者からも高い注目を集めました。

ファイアンスは、古代エジプトやメソポタミア(西アジア)で紀元前4500年から紀元後100年ころまで用いられた工芸技術です。当時貴重だったトルコ石やラピスラズリの代用品として使われ、装飾品や副葬品として広く利用されていました。しかし、製作工程が複雑で難しいことから、ガラス製造が可能になると次第に廃れ、その技法も長く失われてきました。山花准教授は、その製法を長年にわたって研究。これまでに石英やアルカリ、炭酸カルシウムが主成分であることは明らかになっていましたが、立体造形物の復元はできていませんでした。

一方の秋山教授は、一昨年度から山花准教授の研究に協力。同じく古代エジプトで副葬品として用いられていた、硫黄を使ったビーズの製造技術解明に成功するなどの成果を収めてきました。今回の研究では、ピラミッド建設時に石と石をつなげる接着剤として用いられていた「漆喰(しっくい)」(主成分は水酸化カルシウム)に着目。これを少量混ぜて焼くと、立体的な構造物ができることを明らかにしました。

秋山教授と山花准教授は、「現在世界で使われている技術は、その多くが古代エジプトやメソポタミアで生み出されたといわれています。今回の研究でファイアンスの製法を明らかにできたことは、現在の技術が生み出される過程の一部の解明につながったと考えています。ただ当時の最高技術から比べると、まだ課題が多いのも事実。今後も研究を重ね、さらに遺物として残されているファイアンスの質感やサイズに近づけていくことで、博物館などで本物と並べられる『触れるレプリカ』といえるレベルの完成度まで高めていきたい」と話しています。

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