水産学科食品科学専攻の学生が根室産水産物を用いたパック詰めの総菜を開発しました

海洋学部水産学科食品科学専攻4年次生の福島駿さんがこのほど、北海道根室市で採れた水産物を用いたパック詰めの総菜3種類を開発しました。根室市と本学部は2010年度に相互協力協定を結び、水産業を生かした地域振興や水産加工の研究開発といった分野で連携しています。福島さんは昨年9月から11月にかけて、根室市の水産加工振興センターで商品開発の共同研究に参加し、試作を重ねて総菜を完成させました。現在は根室市の企業に売り込み、商品化を目指しています。

福島さんが開発した製品は、「根室産ソイほかのアクアパッツァ」「根室産貝類のクリーム煮」「根室産マイワシの煮物」の3種類。「根室産ソイほかのアクアパッツァ」で使用しているシマゾイは、根室では市場で値段がつきにくい”低利用魚”だが、「低利用魚のままではもったいない、調理するととてもおいしい魚」と福島さん。低温調理で身をふっくらとさせ、風味豊かに仕上げています。「根室産貝類のクリーム煮」は、ホタテやアサリ、ツブ貝など数種類の貝を使い、優しい味わいの一品に。「根室産マイワシの煮物」は、近年水揚げ量が増えているマイワシを活用し、骨まで食べられるようじっくり煮込んで調理しています。いずれも化学調味料を使わず、真空調理法でパック詰めされており、電子レンジで簡単に調理することができます。

福島さんは、「近年、共働きの家庭が増えて調理に時間をかけられない人が多くなっているので、電子レンジで簡単に魚や野菜を食べられる商品を作りたいと思い考案しました。低温で調理しているため触感や風味を損なわず、魚嫌いの子どもでも食べやすいと思います」と料理のポイントを紹介。また、「高校も水産系だったので商品開発の実習があったのですが、衛生管理や予算の都合からクリーム煮を作れず、いつか実現したいと思っていました。7年越しに夢がかなってうれしい。北海道の貝類は大粒で、とても贅沢な一品になりました」と笑顔で語っています。