大学院芸術学研究科音響芸術専攻の修了演奏会「亀山鴻伸ピアノ・リサイタル」を開催しました

大学院芸術学研究科音響芸術専攻を今年3月に修了した亀山鴻伸さんの「ピアノ・リサイタル」を6月11日に、神奈川県民ホールで開催しました。本研究科では、学びの成果を披露する場として例年年度末に修了生によるコンサートを開いていますが、昨年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け開催時期を延期していました。

昨年度の秋学期修了生の中で唯一リサイタルを開催した亀山さん。学部生時代は数列や集合論を応用して演奏曲を分析するなど、理系的なアプローチで研究に取り組み、大学院では「保育者養成校におけるピアノ教育の方法論~電子ピアノのネットワーク・システムの有効活用」のテーマで修士論文を作成しました。また、大学院進学後1年目から神奈川県・平塚学園高校で非常勤講師としても勤務し、教育者としての経験も積んでいます。検温や手指の消毒など感染防止策を徹底して実施したリサイタルでは、ヴェートーベンの『ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 作品109』や、本学の二宮洋名誉教授が作曲した『ソナチネ』『過ぎ去る喧噪』など6曲を演奏。終演後も鳴りやまない拍手に後押しされアンコールも披露し、笑顔で大学院生活最後の舞台を締めくくりました。

終演後、「始まる前はとても緊張していましたが、会場に駆けつけてくれた友人や先生方、高校の教え子たちの顔を見て安心し、どんどん演奏の調子が上がっていくのがわかりました。学部生時代から先生方が親身になって指導してくださったおかげで、ここまで成長することができたと感じています。今後は非常勤講師を続けながら博士課程のある大学院への進学を目指します。奏者としても活動の場を広げていきたい」と語りました。論文指導教員の沖野成紀教授は、「すてきな演奏を披露してくれると信じていましたが、終わってみると予想以上のステージでした。演奏だけでなく、これまでの学びを生かして研究を続けてくれることは、教師冥利につきます。活躍を後押しできるよう、サポートしていければ」と話していました。