地域創造学科の中尾教授が東川町立中学校の椅子デザインのリニューアルを手がけました

国際文化学部地域創造学科の中尾紀行教授がこのほど、北海道東川町の町立東川中学校で生徒が使用する椅子のデザインリニューアルを手がけました。同中学校では、2010年度から生徒が在学中に使用する木製の椅子を、町内の木工家具工場の職人が製作。卒業時にプレゼントする取り組みを展開しています。本学では、2009年に当時の旭川キャンパスにあった北方生活研究所が町から基本設計と試作品製作の委託を受け、椅子を中心とした家具デザインを専門とする中尾教授がデザインを担当しました。

この取り組みは、旭川家具関連の工場が多数ある同町が、木材活用や地域活性化につなげるとともに、学校に生徒自らの名前が刻まれた椅子があることによって休まずに通学してほしいとの願いと、学校での居場所づくり、安心して占用して座れる場所で意欲的に学習に励んでもらいたいとの願いを込めた活動です。中学3年間は生徒が学校でのマイ・チェアとして大切に使用し、卒業時には学校生活の想い出の椅子として自宅に持ち帰って活用されています。

今回のリニューアルは、これまで使われてきたブナ材から北海道産のナラ材に切り替わることになったことからデザインの一部を変更したものです。中尾教授は、「当時は学校で日常的に使用するものであることから特に壊れにくく頑丈に作ることを目指したデザインが採用されました。約15年間同じものが製作されてきましたが、重量が5kgあるため、実際に使用した生徒からは“重たい”といった声も多く寄せられており、材料が切り替わるタイミングでデザインも見直すことになりました」と話します。リニューアルされた椅子は、座り心地を変えることなく、本体横のフレーム部分を細くするなどして約20%の軽量化を図りました。「フレームを細くしても簡単には壊れない強度が保てると判断しました。また私自身、フレームや背もたれの幅などもっといいものにできる部分があるのではないかと考え続けてきたこともあり、今回のリニューアルでより椅子らしく、暮らしの中に溶け込むデザインに仕上がったと感じています」と語っています。