静岡キャンパスの学生有志が10月18日に、静岡市清水区の羽衣ホテルで付属静岡翔洋高校茶道部と連携したインバウンド観光客向けの茶道体験会を開催しました。本キャンパスでは、海洋学部の加藤和美准教授ら英語を専門とする教員による指導のもと実践的な英語の習得を目指す学生有志が集う「International Cafe」の活動を展開しています。また、近年は清水港に入港する外国クルーズ船が増加していることから、乗客や乗組員を対象としたインタビュー調査を実施するなど、清水地域のインバウンド観光資源分析や開発にも取り組んでいます。今回は羽衣ホテルの女将である遠藤まゆみさんから、同ホテルの日本庭園を活用したイベント開催について相談を受けた加藤准教授と学生が、日本文化体験の機会として茶道体験会を企画。静岡翔洋高茶道部の協力を得て実施が決まりました。



当日は、羽衣ホテルの面する富士山世界文化遺産の構成資産である三保松原で、学生と生徒が手分けして参加を呼びかけ、希望者をホテルの中庭と大広間に案内。偶然通りかかった海洋学部の卒業生も来場する中、ブラジルや中国、イギリス、ギリシャなどから来日中の観光客に向けて茶道部のメンバー5名が抹茶をたてて振る舞い、大学生と教員らが菓子や広間のしつらえなどについて英語で説明しました。参加者は静かな雰囲気の中でお茶を楽しみ、日本文化の奥深さに触れていました。生徒たちを指導する茶道部部長教員の牧野奈央教諭(静岡翔洋高教頭)は、「学校外のイベントでお茶をたてる機会は少なく、生徒たちは緊張しながらもしっかりと日ごろの稽古の成果を見せてくれました」と語りました。



参加した後藤彩香さん(海洋学部2年次生)は、「茶道を意味する『tea ceremony』という言葉が外国人の方には違う解釈をされているようで、会場に来ていただくために英語で意味を伝える難しさを感じました」と話し、川瀬彩さん(同)は、「写真を撮るのが好きなので記録係を務めました。今日の様子を動画にまとめて紹介したいと考えています」とコメント。二人は、「将来は英語を生かした職業につきたいと考えているので、このような経験を生かしていきます」と話していました。加藤准教授は、「羽衣ホテルさんからお声がけいただき、高大連携で地域連携活動を実践するとともに、美しい庭園を眺めながら抹茶を楽しみ日本文化に親しむ機会を観光客の皆さんに提供できたと感じています。今後も、地元の皆さんとも協力しながら学生の実践活動を続けていければ」と話しています。
