中高生が観光学部の1日講座で、日本のおもてなしについて学びました

代々木キャンパスで8月7日、中高生を対象とした講座「和菓子文化の魅力って何だろう?東京オリンピックで日本文化を世界に発信しよう!」を開催しました。講義や和菓子作り体験、品評会、ディスカッションを通じて和菓子文化の魅力や由来を楽しく学び、日本文化の魅力を海外の人に伝える手法を考えることを目的として、観光学部の小澤考人准教授が講師を務めました。独立行政法人日本学術振興会の「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」として実施したものです。講座には、抽選で選ばれた中高生18名とその保護者をはじめ、学生、教職員ら45名が参加しました。

はじめに小澤准教授が、2012年のロンドン五輪では開催終了後も交通インフラや都市の再生など良いレガシー(遺産)が多く残されたことを、スライドを用いて分かりやすく説明。さらに、2020年の東京オリンピックにおけるレガシー戦略の一つとして、つながりをつくり出す力のある「和菓子文化」を紹介しました。講義の後、生徒は調理室で5つの班に分かれて和菓子作りに挑戦。季節感を大事にしている甘集堂の宮島勇三氏を特別講師として、手順や作り方のコツなどを教わり、学生の手助けを受けながら、午前中にどら焼き、午後はねりきり作りに楽しく取り組みました。

体験学習後の作品評価会では、他の生徒の作品を見たほか、学生の立てたお抹茶とともに和菓子を味わい、会場は和やかな雰囲気に包まれました。ここで小澤准教授から、「今日体験してきたように和菓子にはコミュニケーションを促す役割があるようです。和菓子の魅力を外国人に伝え、海外に発信する方法を考えてディスカッションし、班ごとに発表してください」と課題が与えられました。生徒たちは発表で、「熱血和菓子職人のアニメを作る」「外国人に人気のある芸能人に和菓子の魅力を伝えてもらう」「空港やデパートで紹介する」「浴衣を着て他の文化と一緒に伝える」「外国人の販売員を採用する」「アンケートやツイッターなどのSNSを活用する」など、効果的でユニークな意見を多数提案しました。また、「和菓子作りを家でもやってみたい」「とても楽しい授業だった」という感想が多数聞かれました。

中高生を迎える準備や司会進行、サポート役を務めたゼミの3年次生からは、「どうしたら参加者が楽しめるかを考えて飾りつけを準備し、当日、各班に学生を配置しました。私たちが作った2色の白玉黒みつが好評でうれしかった」(神原泉水さん)「生徒たちが話しやすいように積極的に話しかけました。グループワークでは戸惑っていた中学生に助言したところ、自分でアイデアをまとめてくれたので、私の方も学ぶことがありました」(小澤誠史さん)という声が聞かれました。小澤准教授は、「一般の中高生への講座は初めての試みでしたが、受講者から驚くような意見を聞くことができ、良い意味での刺激を感じました。和菓子作りのプロフェッショナルから直接お菓子作りを学ぶ機会を得られたことも、参加者全員にとって貴重な体験でした」と語っています。

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04-どら焼きの皮を焼く03_341.jpg

05-ねりきりの作り方を説明_341.jpg

06-ねりきり作り02_341.jpg

07-和菓子の試食会_341.jpg

08-グループワークに取り組む生徒とそれをサポートする学生_341.jpg

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