「農ある仲間,土ほぐす福幸プロジェクト~みんなで創る学びのフィールド~」を実施しました

九州キャンパスでは7月29日に、2023年度の開設を予定している臨空校舎の圃場にヒマワリの種を植える「農ある仲間,土ほぐす福幸プロジェクト~みんなで創る学びのフィールド~」を実施しました。九州キャンパス教育活性化プロジェクト「アグリ実学スキルアップ支援プログラム(略称:アグラップ)」(※)の一環で、農学部と大学院農学研究科の新しい学びのフィールドとなる臨空校舎を九州キャンパスの学生と教職員、地域住民が一体となって構築しようと企画したもの。プロジェクト名は「あなたを幸福にする」というヒマワリの花言葉にちなみ、復興と同じ発音になるよう「福幸」としました。当日は、農学部の4年次生と教職員合わせて約30名が参加しました。

臨空校舎は、阿蘇くまもと空港に近い「東海大学宇宙情報センター」(熊本県益城町)の敷地を転用して新設され、阿蘇実習フィールド(熊本県南阿蘇村)と併用して農学部と大学院農学研究科の教育・研究活動が行われる予定です。今回使用したのは、農学部の2年次生がクラス単位の実習で使用する予定の圃場で、19年の夏ごろから農学教育実習センターの職員らが整備を進め、すでにサツマイモ(ムラサキマサリ)、エゴマ、レモングラスの栽培を始めています。ヒマワリは10月ごろに見ごろを迎え、11月には種を収穫。その後、アグラップの一環で、エゴマとともに食用油として開発も進める計画です。

当日は岡本智伸学部長が、「本学部は1980年に熊本県唯一の農学部として南阿蘇村に開設され、学生と一緒に農場や牧場を作り上げていきました。臨空校舎で学生が活動するのは今日が初めてで、皆さんの活動がこの校舎の第一歩になります。卒業生がいつでも集える施設も設けたいと考えていますので、皆さんが作り上げていくこのキャンパスを、ぜひ卒業後も訪れてください」とあいさつしました。その後、技術職員が朝から耕して準備してきた圃場に学生と教職員が一緒にヒマワリの種をまきました。参加した学生は、「新しいキャンパスの立ち上げに携われることは滅多にない機会なのでとても光栄です。たくさんの自然と触れあえる校舎になればうれしい」「自分自身がここで学習することはできないけれど、後輩たちにとって身近な場所に植物や動物がいる、学びやすい環境になれば」と話していました。

農学教育実習センターの阿部淳センター長(農学部教授)は、「臨空校舎が完成する前に卒業してしまう学生たちにもこの校舎を母校だと思ってもらえるように、何か思い出をつくる機会にしたいとこの企画を考えました。今回は新型コロナウイルスの影響も鑑み、4年次生のみの参加でしたが、今後も定期的に世話をする機会を設けたいと考えています。熊本地震から4年が経ち、今年は豪雨の被害もありました。この場所は道路からも見えるので、地元の方々にもヒマワリの花を見て元気になってもらいたい。農学を学ぶ学生たちとともに、復興の一助を担えれば」と話します。企画を担当した農学教育実習センターの中野祐志技術職員は、「皆で種をまき、花を楽しみ、種を収穫してからは学生が成分を分析したり、油を採ったり、搾りかすを家畜に与えれば良質な肉もできます。このプロジェクトを通して、学生に多くのことを還元していきたい」と期待を語りました。