医学部付属病院が最新型の「TrueBeam放射線治療システム」を導入しました

医学部付属病院ではこのほど、最新型の放射線治療機器「TrueBeam(トゥルービーム)放射線治療システム」を導入しました。放射線治療は、放射線の照射によりがん細胞のDNAに損傷を与えて死滅させる治療法です。がん細胞のみを破壊して周囲の正常組織を温存でき、体に負担が少ないのが特徴です。

「TrueBeam放射線治療システム」は、がん組織に対して適量の放射線をピンポイントで照射し、高精度・短時間に治療する装置です。脳や頭頸部、肺、食道、肝細胞、直腸、前立腺などのがんをはじめ、乳がんや子宮頸がん、白血病などあらゆる部位のがんが対象になります。動く臓器を追うシステムが搭載されているため、患者は呼吸を止めるなどの負担なく治療を受けられます。

本病院では今年2月に、放射線治療機器3台のうち1台を同システムに更新しました。小さながんに多方向から放射線を当てる定位放射線治療(SRT)や、腫瘍の形に合わせて放射線の形や強度を変えて照射する強度変調放射線治療(IMRT)、放射線を変調しながら照射ヘッドを回転させて当てる強度変調回転照射治療(VMAT)、X線画像・CT画像から腫瘍や臓器の位置を把握し、治療寝台を適切な位置に補正して照射する画像誘導放射線治療(IGRT)など、より精度の高い技術が求められる症例にも対応可能です。

放射線治療科では、放射線治療医(放射線腫瘍医)と看護師がきめ細かいケアを行うとともに診療放射線技師、医学物理士ら全スタッフが連携し、最善の治療を安全に、安心して受けていただけるよう努めています。