「ともいきアートサポート事業」による常設展示が始まりました

神奈川県と東海大学が昨年度から取り組んでいる「ともいきアートサポート事業」による障がい者アートの常設展示が、6月10日から神奈川県立青少年センター・スタジオHIKARIの交流スペースで始まりました。この事業は、県が掲げる「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念の実現に向けて、障がいの程度や状態にかかわらず、誰でも文化芸術を鑑賞・創作・発表できる機会を提供するもの。本学から教職資格センターの篠原聰准教授と学芸員資格の取得を目指す学生たちが企画・運営に参加しています。来年3月6日まで、県内で障がい者によるアート活動を支援している「NPO法人studio FLAT(スタジオフラット)」「株式会社愉快studio COOCA(スタジオクーカ)」「認定NPO法人アール・ド・ヴィーヴル」に所属するアーティストの作品が定期的に入れ替えながら展示されます。

篠原准教授と学生たちは、作品の搬入や展示設営などを担当。オンライン展示として本学松前記念館のサイト内の特設ページで展示作品を紹介しています。本企画のサポートリーダーを務める川崎一史さん(文化社会学部北欧学科4年次生)は、「近年、社会的に多様性を尊重する意識が広がっていますが、実際に多様性ついて考えたり、さまざまな人と出会う中でその人の感性・考え方に触れたりする機会は、意識しないと日常生活の中では得られないと思います。障がい者アーティストの作品が多くの人の目に触れることで、純粋にアート作品を楽しみながらも、『多様性とは何か』『その人らしい生き方を認める社会とは、どういったものか』などと考えるきっかけになれば」と話します。また、メンバーの中郡梨子さん(教養学部芸術学科デザイン学課程4年次生)は、常設展示の内容を紹介する映像の制作にも挑戦しており、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響でさまざまな芸術活動が制限されている中、篠原先生からオンライン展示の話を聞き、アーティストの作品を表に出すための戦力になりたいと活動に参加しました。一つひとつの作品をただ紹介するだけでなく、事業の理念や作者の思いを伝えられるような映像作品にしたい」と意気込んでいます。作品は7月末ごろの公開を予定しています。

本事業を担当する神奈川県福祉子どもみらい局共進本部室共生グループの相場延弘さんは、「東海大では障がいのある方々も美術鑑賞を楽しめるような取り組みを展開していると知り、協力を依頼しました。障がい者アーティストたちの作品が、多くの方の目に触れる機会となれば」と期待を寄せます。篠原准教授は、「会場で作品を実際に見ていただくことがいちばんですが、コロナ禍で足を運ぶのが難しい方もいるためオンライン展示という新しい形式も取り入れました。障がい者アーティストは創作・発表の場自体が限られているので、このような機会を増やすことで誰もが芸術を楽しむことができるような活動を展開していきたい」と話しています。

▼松前記念館サイト内特設ページ:http://www.kinenkan.u-tokai.ac.jp/tomoikiart-online/

「ともいきアートサポート事業」障がい者アート常設展示

【会 場】
県立青少年センター・スタジオHIKARIの交流スペース
(横浜市西区紅葉ケ丘9-1)

【会 期】
次の3団体に所属するアーティストの作品を、定期的に入れ替えながら展示します。
studio FLAT(スタジオフラット) 6月10日(木)から8月15日(日)まで
studio COOCA(スタジオクーカ) 8月31日(火)から12月5日(日)まで
アール・ド・ヴィーヴル 12月8日(水)から3月6日(日)まで
※8月2日(月)、9月13日(月)、10月4日(月)、18日(月)、12月28日(火)から1月4日(火)、2月7日(月)は休館
※展示スケジュールは変更となる場合もありますので、県共生推進本部室ホームページをご確認ください。(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/m8u/tomoikiart.html

【開場時間】
スタジオHIKARIで公演がある日 9時から20時まで
スタジオHIKARIで公演がない日 9時から17時まで
※スタジオHIKARIでの公演の有無については、県立青少年センターホームページをご確認ください。(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ch3/cnt/f602/p7193.html

【主 催】
神奈川県、東海大学(教職資格センター)