ドイツの弁理士が生命科学統合支援センターを視察しました

伊勢原キャンパスの生命科学統合支援センターを5月24日、ドイツの弁理士2名が視察しました。本学のURA(※)教員で弁理士の腰本裕之教授(マイクロ・ナノ研究開発センター)の紹介で、ミュンヘンの特許事務所イザールパテントに所属するトビアス・ロストイシャー氏とヴォルフガング・サンドマン氏が施設を見学。本センターの技術職員らと意見を交わしました。

生命科学分野の研究者や学生が共同で利用できる研究機器を備えた本センターは、研究室では導入が難しい大型・高額の機材や設備を約200台所有。約400名の研究者らが利用登録しており、機器の利用回数は年間2万件を超えています。「蛋白質」「動物」「細胞組織」「核酸」「情報」の分野におけるエキスパートの技術職員38名が機器を保守管理し、依頼に応じて操作指導から実験、データ分析までを担うなど、本学全体の研究サポートや医学部・大学院医学研究科等の教育支援に従事。学外機関からの研究も受託しています。

当日は技術職員が、リアルタイムPCR装置やマルチプレートリーダーなどを備えた「DNA実験室」「蛋白実験室」、正立型顕微鏡が設置された「光学顕微鏡室」を案内し、機器の特徴や利用状況について説明。細胞を解析・分取するセルソーターや遠隔操作ができる透過型電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡などについても専門の職員が解説しました。両氏は機器の性能や活用事例などについて熱心に質問し、「他のキャンパスからでも遠隔操作で利用できるのは素晴らしい」「利用者が多いのは、研究に必要な機材が一堂にそろい、ほとんどの研究がここで完結できるからだとわかりました」と感想を話していました。

本センターを統括するメディカルサイエンスカレッジオフィス生命科学統合支援ユニットの岡田義則課長は、「研究者がいつでも実験や研究に取り組めるよう機器をメンテナンスするとともに、専門分野の技術や知識を生かし、迅速で質の高い研究支援ができる体制を整えています。オープンな実験環境は、若手研究者の育成や情報交換を促進する場であるとともに、研究領域や学部を超えた共同研究を生み出す場にもなっています。海外の研究関係者にも注目していただけるのは、大変ありがたいことです。さらなる利便性向上と機器運用の効率化を図るとともに、研究者やURA教員、事務職員と連携して生命科学研究の進展に貢献したい」と話しています。

※URA(University Research Administrator):研究者の研究活動の活性化や研究開発マネジメントの強化を担うスタッフ。教職員と協力し、研究資源の導入促進や研究活動の企画・マネジメント、研究成果の活用促進に取り組んでいます。

「生命科学統合支援センター」ホームページ
 http://gijutsu.ihs.u-tokai.ac.jp/