「猫の島『湯島』の猫たちのQOL向上のための活動」が離島人材育成基金助成事業に採択されました

文理融合学部地域社会学科(経営学部観光ビジネス学科)の前田芳男教授のゼミ生らからなるグループ「ねこだんご」が提案した「猫の島『湯島』の猫たちのQOL向上のための活動」がこのほど、公益財団法人日本離島センターが実施する「令和4年度離島人材育成基金助成事業」(活動助成型)に採択されました。この助成事業は、学生が主体となり離島の住民らと継続的に島づくり活動に取り組むことで、離島地域の活性化や人材育成、課題の解決などに資することを目的としています。「ねこだんご」には上限50万円が助成されます(助成率3/4)。

熊本県天草市湯島は有明海の真ん中に浮かぶ周囲約4kmの島で、人口約300人に対し約200匹の猫が住む「猫の島」として近年注目を集めています。しかし、猫との触れ合いを目的とした観光客が増加したことで、際限なく餌を与えることや、漁師らが猫には不向きとされるイカを与えるなど健康状態の悪化が不安視されることから、学生たちが今回の活動を提案しました。今年度は縄張りごとの頭数を調べて「住ニャン基本台帳」を作成し、調査結果は地理情報システム(GIS)を用いてデータベース化するとともに、猫の分布状態を可視化するほか、猫語翻訳アプリ「にゃんトーク」を使って島民と学生が交流しながら猫にとって居心地のよい場所などを分析。住民への聞き取り調査や「猫おみくじ」の試験販売、「猫QOL」向上の指標づくりのための勉強会も開催します。また、文理融合学部人間情報工学科(基盤工学部電気電子情報工学科)の村上祐治教授の研究室も参加して、GPS機能を使ってスマートフォンで撮影した猫の写真と位置情報が地図上に表示される猫マッピングアプリも開発する予定。学生の間では既に文理融合が進んでいます。来年度はアプリを使って猫の行動記録や頭数調査を継続するとともに、集団健診の実施や猫QOL向上のためのルールづくり、観光客向け「猫QOL向上協力宣言書」による入島制度の提案を計画しており、2年かけて全国のモデルとなる「猫ファースト」の観光地域づくりを目指します。