阿蘇くまもと臨空キャンパス食品加工教育実習棟が「ウッドデザイン賞2023」の優秀賞に輝きました

阿蘇くまもと臨空キャンパスの食品加工教育実習棟がこのほど、一般社団法人ウッドデザイン協会が主催する「ウッドデザイン賞2023」ソーシャルデザイン部門の優秀賞(林野庁長官賞)を受賞。12月6日に東京ビッグサイトで表彰式が開かれ、東海大学職員の小須田絹代さん(学長室施設設備担当)らが林野庁の青山豊久長官から表彰状を受け取りました。同賞は、優れた建築・空間や製品等を顕彰して木のよさや価値をデザインの力で再構築することが目的。9回目となる今回は3部門に335点の応募があり、計31点が表彰されました。

本キャンパスの「アグリ・ゲート」を入って右手にある実習棟は、食品加工技術の修得や食品衛生への理解を深める場所になっています。建物は、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料「CLT(Cross Laminated Timber)」を切断してくり抜き加工を施し、それらのパーツを余すことなく利用した鉄骨とのハイブリッド梁「MOTTAINAIハイブリッド梁」の大屋根で覆われています。CLTは森林資源の有効活用や安全性の高さなどから、建築の構造材をはじめ、土木用材や家具などにも使用されています。今回の表彰では、CLTを主役に見立てた独創的な取り組みで、くり抜いたCLTの意匠が建築全体にインパクトを与えていることに加え、普段あまり建材を意識していない人にもその可能性をアピールできる点などが評価されました。設計を担当した株式会社石本建築事務所の加藤信一さん(エンジニアリング部門構造グループ)と野間修一さん(設計部門建築グループ)は、「鉄筋コンクリートに比べてCLTは原材料が高く、通常は加工時に20%程度のロスが出てしまいますが、今回は5%ほどに抑えられています。今後、CLTを採用しやすくなるきっかけになるのでは」とコメント。小須田さんは、「本キャンパスは熊本地震から7年の歳月を経て今年3月に竣工しました。熊本県産の木材を使った建築にしてほしいという要望を見事に実現していただき、このような賞も受賞できて大変うれしく感じています」と話していました。

なお、表彰式は12月6日から8日まで東京ビッグサイトで開催された環境展示会SDGs Week EXPO2023「エコプロ2023」の特設ステージで行われ、会場では同賞の受賞作品展示も行われました。