2023年度の「東海大学九州教育活性化プロジェクト成果発表会」を開催しました

2023年度の「東海大学九州教育活性化プロジェクト成果発表会」を、3月13日にオンラインで開催しました。熊本キャンパスと阿蘇くまもと臨空キャンパスの各学部学科、農学教育実習センターの教職員が主体となり、地域社会に対して魅力ある教育活動の展開を推進することで、学生の学習効果の向上や地域社会で活躍する人材の育成につなげようと実施しているものです。本学が掲げる「Quality Of Life(QOL)の向上」に向けた行動目標の中の「4つの力を身につけた人材の輩出〔教育〕」および、「地域との連携、地域での活動等、地域の活性化につながる学生主体の取り組み」を踏まえた地域または世界で活躍する人材の育成を目指しています。今回は、今年度採択を受けた「地方創生チャンネル『TX(Tokai Transformation)チャンネル』を活用した文理融合型地域魅力開発プロジェクト」と「アグリ実学スキルアップ支援プログラム(略称:アグラップ)」「クラフトビール商品開発プロジェクト」の3件について活動成果が報告されました。

発表会ではまず、木之内均熊本キャンパス長が、「教育活性化プロジェクトは熊本、阿蘇くまもと臨空の両キャンパスにとって重要な取り組みであり、地域連携や学生の育成に向けて多様な活動が展開されています。今回も1年間の成果を楽しみにしています」とあいさつしました。続いて、TXチャンネルを代表して文理融合学部地域社会学科の内山忠准教授が報告。教員や学生による地域貢献活動を発信することを目的に22年度に開設した「TXチャンネル」の2年目の活動について紹介し、今年度取り組んできた農学部のモニター農家へのインタビュー動画作成の様子をはじめ、昨年12月に阿蘇くまもと臨空キャンパスで開催した第19回アジア農業シンポジウム会場での上映までの経緯を説明。「学生たちは授業で学んできた情報発信に関する基礎知識を活用する機会として取り組みました。インタビューのアポイントメント取りや撮影の準備など想定外の事態もありましたが、動画の完成まで作品制作に向き合い、動画は英語の字幕版も作成したことで語学学習の効果もありました」と成果を語りました。

次に、アグラップを代表して農学教育実習センター長の吉田政博教授(農学部農学科)が、栽培・飼養・食品加工などについて自らの技術・知識の向上を目指すプログラムについて紹介するとともに、延べ153名を数えた参加人数や地域資源循環活用型プログラム、スマート農業での活用が期待されるドローンの基礎的な操縦方法など多岐にわたる活動の成果を披露。「参加学生へのアンケートの結果、満足度は100%と例年に比べても非常に高い数字となりました。理解度もおおむね高かったことなどから、高い水準での技術獲得、知識の広がりを得てくれたと考えています」と語りました。

「クラフトビール商品開発プロジェクト」では、文理融合学部経営学科の中原康征講師が、学生が主体となって所属学科で得た知識や技術を活用すると共に、チーム運営能力、プロジェクト遂行能力の向上を目指したプロジェクトの概要を紹介。試験醸造免許取得手続きの遅れからクラフトビールの完成には至らなかったものの、商品ラベルの試作や市場調査、ビールの原材料となるホップの収穫体験といった成果を披露すると共に、南阿蘇村や熊本県内のダイヤモンドブルーイング社と進めているビール造りの計画を披露し、「今年度のアンケートで『柑橘系で甘くてすっきりした500円のクラフトビール』への需要が確認できました。来年度は、今回の活動で整備した実験スペースを活用して試験醸造に挑戦したい」と次年度も再応募する意欲を語りました。

当日は教職員約50名が出席。質疑応答では、教職員から数多くの質問が寄せられ、学部間の協力体制や他学部学生への参加等の広報あり方について活発な議論が展開されました。