小笠原村(父島)での新型コロナワクチン接種第1回を終え、望星丸が清水港に帰港しました

東海大学が東京都小笠原村で実施している新型コロナウイルスワクチン接種の第1回を終え、医学部付属病院群の医療チームを乗せた本学の海洋調査研修船「望星丸」(国際総トン数=2174トン)が、6月25日に清水港に帰港しました。本学では東京都、小笠原村と3者で、同村における新型コロナウイルスワクチン接種に係る連携・協力に関する協定を締結。同病院群の医師、看護師、薬剤師らで構成した医療チームを6月と7月の2回にわたって派遣し、同村に配付された医療従事者等及び高齢者向け接種用ワクチンの余剰と、国が追加配付する分を用いて父島島民の12歳以上64歳以下の希望者に向けた集団接種を行う計画を進めています。 

医学部付属病院高度救命救急センターの守田誠司所長ら計10名で構成した第1バッチのメンバーを乗せた望星丸は、19日に清水港日の出埠頭を出港。21日に父島・二見港に着岸すると、22日と23日に同村のスタッフらと協力して小笠原村・海上自衛隊父島基地分遣隊の体育館でワクチン接種に臨み、合計949名の接種を完了しました。その後23日中に二見港を離岸し、清水港へと向かっていました。現地での様子は「Daily Report」(https://www.u-tokai.ac.jp/news-notice/44411/)をご参照ください。 

清水では巴川河口の通称・鉄道岸壁で山田吉彦静岡キャンパス長やスルガベイカレッジ静岡の福田郁夫ゼネラルマネージャーら本学関係者が望星丸を出迎え、医療チームのメンバーをねぎらいました。守田所長は、「この航海のために集まった初対面のメンバーが多く、出港前は連携面での不安もありましたが、父島に向かう船内でコミュニケーションを図ることで士気も高まり、一丸となって業務に向かうことができました。さらに、父島の皆さんには温かく迎えていただき、接種にあたっても多くの協力を受けて無事に任務を終えることができました。接種を受けられる方の会場内での移動経路など改善点も得られたので、7月の第2バッチにしっかりと引き継いでいきます。本病院としても新型コロナ禍への対応は今後もさまざまな場面で続いていくので、今回得られた知見を生かしていきたい」と語りました。また、高度救命救急センターの石川奈緒美看護師は、「現地スタッフの方たちとの連携や接種業務などを通じて、2日間とはいえ濃密な時間を過ごしました。その中で、医療に携わる多職種連携の重要性とチームビルディングの手法も学べたと感じています。今回の取り組みを通じて、父島の皆さんの安心な生活に貢献するとともに、貴重な経験を積むことができました」と話していました。 

望星丸の上河内信義船長は、「本船のスタッフは出港の2週間前から不要不急な外出の自粛や船内の消毒など準備を徹底してきました。小笠原に向かう船内でも、医療チームと船のスタッフの動線や居住空間を離し、密を防ぐなど対策を講じました。往路は天候が安定せず揺れる場面もありましたが、予定通り到着しワクチン接種に臨んでいただけたので安心しています。7月に行われる2回目の接種の任務に向けて、船内における感染拡大防止対策を今一度見直すとともに、あらためて船内を消毒するなど準備を進めていきます」と語りました。 

なお、医療チーム第2バッチは7月10日に望星丸に乗船して清水港を出港。13日と14日に小笠原村で2回目のワクチン接種に取り組む計画となっています。