教職員向けにLGBTQIA+への理解を深める「LGBTQIA+ダイバーシティ推進理解研修 ~マイクロアグレッション(小さな攻撃性)への理解を深めよう~」を開催しました

東海大学では1月22日にオンラインで、「LGBTQIA+ダイバーシティ推進研修 ~マイクロアグレッション(小さな攻撃性)への理解を深めよう~」を開催しました。LGBTQIA+の基本知識から性的少数者と呼ばれる方々を取り巻く環境や直面する問題点などを学ぶとともに、LGBTQIA+の当事者が安心してキャンパスライフを送ることができる環境を整えるきっかけにしようとグローバル推進本部が企画したものです。テンプル大学ジャパンキャンパスで、ダイバーシティ・インクルージョン・異文化理解に携わる障がい学生支援コーディネーターの渡部真美メイ氏が講師を務め、湘南キャンパスをはじめ各キャンパスの教職員約20名が参加しました。

当日はまず、テンプル大学3年生のサミュエル・コルミエさんがLGBTQIA+の当事者としての経験談を披露。多様な性的少数者を表す言葉である「LGBTAQIA+」の意味について考えるワークをはじめ、渡部氏とコルミエさんによる体の性別と心の性別の違いや「性や多様性を示す言葉がなぜ必要なのか」「人とかかわるときに傷つける意図はないにもかかわらず相手の心にちょっとした影を落とすような言動や行動をしてしまう『マイクロアグレッション』」といった事象、LGBTQIA+と接する際の注意点について、具体的な事例を踏まえた解説を通じて理解を深めました。最後に二人は「どの年齢までに自身のアイデンティティーに気づくというものではなく、生涯を通じて変化する場合が大いにあります。カミングアウトしないあるいはできない人もいるが、サポート体制にはそういった人たちも取り入れる必要があると考える必要があります」とまとめ、「LGBTQIA+の当事者も利用できるトイレを『誰でもトイレ』と表示することで学校にきやすくなる学生も増えるのではないでしょうか。また、カウンセラー向けのLGBTQIA+に関するトレーニングの提供や、孤立しがちなLGBTQIA+をつなぐクラブやイベントの開催も検討してほしい」と提言しました。

参加者からは、「こういった研修は、人々を分類するために知識を増やして『この人はこう』とタイプを当てはめるためのものではないということも併せて理解しておく必要があると感じました。また、カミングアウトしない、できないだけでなく“したくない”という人もいることを理解しなければいけないと考えています」「学生を『さん』や『君』付けで呼ぶなど、傷つける意図はなくても相手に精神的な負担を負わせるようなマイクロアグレッションは多いと感じました。卒業論文でLGBTに関する問題を扱いたいという学生はいるので関心は高いはずですが、やはり無関心である学生や教職員のほうが多いと思います。大学として目に見えるような対策を講じることは重要」「『いろいろな性があっていい』ということを再認識できました。皆がお互いの性的指向や性の自認を尊重していくことで、生きやすさや自分らしさにつながることを学ぶ機会になった」といった感想が聞かれました。