「ダイバーシティ(多様性)・インクルージョン(包摂)イクイティ―(公平性)研修」をオンラインで開催しました

東海大学では9月29日にオンラインで、教職員を対象とした SD・FD(グローバルSD・FD)研修「ダイバーシティ(多様性)・インクルージョン(包摂)イクイティ―(公平性)研修」を開催しました。性別、人種、国籍、宗教など、一人ひとり価値観が異なる多様性について理解を深め、学生への対応に生かすことを目的としたものです。当日は、テンプル大学ジャパンキャンパス障がい学生支援コーディネーターの渡部真美メイ氏と、同大学4年次生のサミュエル・コルミエ氏が、性的マイノリティや障がい者、SDGsの視点から、社会における公平性・多様性の包摂をテーマに講師を務めました。

初めに、コルミエ氏が性的マイノリティを表す「LGBTQIA+」について説明。コルミエ氏は、多様性と平等と包摂を考える学生団体「TUJ LEAD」に所属し、学内外で啓発活動に従事してきた活動で得た知見に加え、「性的マイノリティはひとまとまりの属性ではなく、個人の抱えている悩みは多様です。そのため、一人ひとりに寄り添った支援が必要です」と話し、「一人ひとりのニーズや困難を理解し支援することが重要」と強調するとともに、「性的マイノリティだとカミングアウトできない人も包摂するサポート体制が必要」と語りました。渡部氏はこうしたサポートについて、「自分とは関係のないことだと思わず、まずは一人ひとりが自分のことだと思って考え、対応することが大切です」と話しました。続くセッションでは、参加者がそれぞれどのようなサポートができるか話し合い、それぞれの考えを共有。渡部氏は、「平等は全員一律に同様のサポートをすることですが、公平は一人ひとりの悩みや困難さに対して、より暮らしやすいよう個別のサポートをすることを指します」と説明し、「テンプル大学での学生へのサポートとしては、授業や学生生活における『配慮願い』という制度があり、困難を抱える学生が大学側に、どのような配慮やサポートが必要かを提示し、それに則したサポートを求めることができます。米国法により法的な効力を有するものです」と解説しました。最後に渡部氏は、「多様性の包摂を進めるためには行動することが大切です。隅で縮こまらずに、声を出していきましょう」と締めくくりました。

参加した教職員からは、「配慮願いは入学時に作成するのでしょうか?」「困難を抱える学生が相談してきた際に、どのようなケアができますか?」「専門のサポート部署を作ると、その部署に任せておけばいいのだと他人事になってしまうことがありますが、そうならないための施策はありますか?」など、具体的な質問が多く寄せられました。