沖縄地域研究センター主催「海洋環境調査ワークショップ」が開催されました

2023年10月1日、石垣市役所のコミュニティールームにおいて沖縄地域研究センター主催「海洋環境調査ワークショップ ~八重山の海を守る~」を石垣市との共催で開催しました。事前に石垣市の公式LINEと地元紙を通じて呼び掛けたところ、関心を持たれた市民のご参加をいただくことができました。

東海大学は、西表島に沖縄地域研究センターを有することから石垣市と包括連携協定を結び多岐に渡る研究協力に取り組んでいます。この度の「海洋環境調査ワークショップ」では、国境離島を抱える八重山の海洋環境問題について国内の研究者を招き「海洋安全保障」、「海洋環境保全」に着目した発表をいただきました。最後に、石垣市を中心とした八重山海域における海洋環境の保全に関する提言を着地点と致しました。

はじめに、東海大学人文学部教授・沖縄地域研究センターの斉藤雅樹所長から、沖縄地域研究センターについて地元の皆さんに周知を図るため施設および研究活動の紹介を行いました。他大学からは、上智大学総合グローバル学部で国際政治を専門とされる都留康子教授が海洋保護区に関する国際動向について発表され、続いて、明治学院大学法学部の鶴田順准教授が、国際海洋法の視点から八重山海域で起きている事象について解説をされました。最後に、本学海洋学部の山田吉彦教授が登壇され、石垣市の国境離島の現状と未来について、石垣市から依頼を受けて実施してきた尖閣諸島の海洋調査の成果を基に「再び尖閣の島々に人が住める環境を整える」「黒潮の源流の環境を守る」「漁業者が安心して漁業資源を獲得できる状況をつくる」そして「八重山の人たちの生活が安定する、安心で安全な環境をつくる」などの課題を取り上げ「尖閣諸島をしっかりと守っていく」ためにも「環境」をキーワードとした「海洋保護区構想」の重要性を提言されました。

ワークショップを聴講された市民からは「海洋環境調査の目的と研究成果の情報発信を積極的に行ってほしい」「八重山の海の汚れが目に付くようになり、環境保護の観点から環境を守る規制の必要性を感じるようになった」など、海洋の「環境」をキーワードとした要望や意見を交わす様子から関心の高まりが見られました。