「建築都市学部版 ものづくり学生サミット2022 in 湘南」の表彰式を行いました

課題解決型研究コンペティション「建築都市学部版 ものづくり学生サミット2022 in 湘南」の表彰式が、1月28日に湘南校舎で行われました。このコンペは、企業から出題される実務や将来に向けた課題などに対して、学生の自由な発想や柔軟な思考、日々の学習成果を生かして、実践的で実効性のある解決策を提案するものです。2014年度から工学部の活動として始まり、過去2年間は新型コロナ禍の影響で実施を見送っていましたが、今年度、建築都市学部の新設を機に再開しました。参加した建築学科および土木工学科の学生を中心とする66名の学生は、2~6名のグループを作って企画案を練り、月に1回程度企業の担当者と意見交換しながらアイデアをまとめてゆきました。12月の最終報告会で作成したポスターを提出するとともにプレゼンし、各企業が持ち帰って審議したうえで贈賞作品が決定されました。

表彰式では、岩﨑克也学部長から全員に修了証を手渡された後、テーマごとに企業から奨励賞、優秀賞、最優秀賞が発表され、賞状と記念品が贈られました。東栄住宅の「自分の住みたい家」テーマでは、脱炭素、少子高齢化、アフターコロナなど社会的課題を多面的にとらえたチーム名「SR」の「可動×土間」が受賞。シャッター式に収納できる壁、小上がりの下から引き出せるカーペット状の床を設け、外と中の境界を緩め、自由度の高い家を提案しました。梶村駿介さん(建築都市学部1年次生)は、「授業ではまだ基礎を勉強している段階なので、失敗やうまくいかないことも多々ありました。やりたいことを形にできるよう、構造などをきちんと勉強したい」と今後への意気込みを語りました。

サンアルミ建材の「アルミ建材を使用した自分空間を作ろう!」テーマでは、「アルミ製間仕切りによる開閉式ユニット」を提案したチーム名「あるみん」が最優秀賞に選ばれました。コロナ禍で在宅勤務やオンライン授業などが増え、生活様式が変化したことを受け、2枚のアルミ板を立てるだけで自分空間を作れる案を考案。安藤昴さん(工学部3年次生)は、「アルミ板は上下にスライドして収納でき、上部分はすりガラスや間接照明などカスタマイズも可能です。持ち運びやすさ、コストなど実現可能性を意識しました」と語りました。

秦野市議会議員の吉村慶一氏とユーミーらいふ、秦野市役所の合同課題、湘南校舎に近い秦野市内の「ガレージ付き空き家リノベーション」テーマでは、原田朋弥さん(工学部3年次生)らチーム名「建築の卵」の「泊まる工房」が最優秀賞に選ばれました。小田急線・東海大学前駅周辺にはカフェや宿泊施設が少ないことから、天井高4mのガレージを27名が泊まれるカプセルホテルに、1、2階にはカウンターや作業台を設けました。「課題で作った大きな模型を運ぶために始発で電車に乗る建築学科生は少なくありません。大学の近くに作業ができて泊まれる場所がほしい」という学生の切実な悩みを形にしました。

企業担当者からは、「アイデアが徐々に洗練され、まとまっていき、自ら進んでやり遂げてくれたことをうれしく思います」「チームで協力してやりきったことは、今後の勉強や社会に出てからも励みになると思います。これからも経験を生かして進んでほしい」といった講評が聞かれました。表彰式の最後には、工学部での開催初期からアドバイザー教員として携わってきた今年度で定年退官となる建築都市学部の山﨑俊裕教授が、「建築は生みの苦しみも楽しみもありますが、今回、苦しみが8、9割だった、悔しい思いをしたという人もいるでしょう。しかし、続けていけば楽しみがどんどん大きくなります。熱いハートを持って学び続けてください」とエールを送りました。