建築都市学部1年次生らが建設したパビリオンを建学祭で披露しました

建築都市学部の1年次生が「パビリオンプロジェクト」として取り組んできた作品がこのほど、湘南キャンパスの松前記念館前小広場に完成。11月1日から3日まで開かれた建学祭で披露しました。最終日の3日午後5時から一夜限りのライトアップも行い、多くの学生や教職員、地域住民らが会場を訪れました。

このプロジェクトは、建築学科と土木工学科1年次生の必修科目「入門ゼミナール」の一部として実施したもの。両学科の学生約350名が4月から2~4名のグループに分かれて「〇〇を『囲む』」をテーマにデザイン案を検討してきました。5月下旬から6月上旬に実施した複数回にわたる審査の結果、宇野翔貴さん、園田陽生さん、許セイ怡さんが考案した「SUNDIAL SQUARE~時の流れを肌で感じる空間~」が最優秀賞に選出。その後は、工学部建築学科の学生や大学院工学研究科の学生らも加わったプロジェクトチームとして応用解析、設計図制作などを進めてきました。

10月25日には太洋工業株式会社の協力を得て学生たちが作品を建設。周囲には昨年度の本プロジェクトで制作した赤褐色のベンチを複数設置し、建学祭期間中には学生や地域住民らが模擬店で買った食べ物を楽しんだり、パビリオンと記念撮影をしたりと憩いの場になりました。デザイン案を検討した園田さんは、「日時計をモチーフにし、建学祭期間中の太陽の向きを計算して影で時間を表しました。また、東海大学の歴史を展示する記念館前に設置することで時の流れも肌で感じてほしいと考えました」と意図を語り、「ベンチの配置も検討を重ね、イメージ通りの空間ができました。多くの人に足を運んでもらえてとてもうれしい」と笑顔を見せていました。

3日の夕方からは、白色を基調とした寒色と暖色の灯りでオブジェとベンチをライトアップし(照明器具・制御協力:カラーキネティクス・ジャパン)、より一体感のある雰囲気へと演出。照明の色やデザインは、建築学科の篠原奈緒子准教授が指導し、園田さんをはじめ、いずれも建築学科1年次生の伊藤秋華さん、千田昌憲さん、福田桃寧さんが担当しました。伊藤さんは、「はじめは青やピンクといったカラフルなライトアップも検討しましたが、今回のパビリオンのデザインでは騒々しくなってしまうと感じました。最後まできちんと点灯するか不安もありましたが、実際に完成した姿を見てシンプルでありながらも、一体感や温かみを出せて、昼間とは異なるよさをつくれました」と振り返りました。さらに、「パビリオン建設に携わり、建築物はデザインや耐久性だけでなく、費用や工期などさまざまな視点で検討を重ねなければならないと実体験できました。今後の学生生活に生かし、よりよい制作・研究活動につなげたい」と抱負を語っています。