「こんにちは、JPOTの先輩! 第3回 澤村 成美 さん & 高橋 夏帆さん (新聞記者)」

広報メディア学科では現在、課外活動として9つのメディア実践プロジェクトが行われています。私たちはそのなかのJPOT(Journalism Project of Tokai = 東海ジャーナリズムプロジェクト)の学生です。JPOTは本格的に活動を開始してから6年ほどになりますが、卒業生たちはジャーナリズムやテレビの番組制作の現場などで活躍しています。この9月から3回にわたって、我たち現役生のメンバーが、JPOTのOB・OGメンバーをオンラインの交流会にお招きし、在学時そして卒業後のご活躍についてお話を伺いました。今回は最終回となる第3回目です。

第3回目の先輩: 澤村成美 さん (20年3月卒 神奈川新聞社 記者職)
         高橋夏帆 さん (20年3月卒 岐阜新聞社 記者職)   

Q.なぜ記者を目指そうと思ったのですか?

A. (澤村さん) 元々小学生時代から本を読むこと、表現をすることが好きでした。進路を決めはじめる高校2、3年生の時に東海大学の広報メディア学科を見つけ、当時のAO入試課題であった新聞の読み比べで、普段読んでいた神奈川新聞以外を読んだ際に、各社ごとの論調の違いを痛感しました。また、震災後の情報に触れたり、国会前のデモに行ったことで、自分の知らないことの多さに気づき、自分もジャーナリストとしてもっと知りたいと思ったことをきっかけに新聞記者を目指しました。

(高橋さん)高校まで10年間バドミントンをやっていたこともあって、スポーツライターになりたいと思っていました。しかし、大学でスポーツ広報誌を作る活動に参加していた時、良い面よりもなぜか問題だと捉えられるような悪い面に目がいき、活動に馴染めない自分がいました。そして同時期に羽生ゼミで沖縄に行って自分の知らないことがたくさんあることに気づき、「恥ずかしいもっと知りたい」と思い、新聞やジャーナリズムに興味を持ったことがきっかけでした。

Q.仕事のやりがいは何ですか?

A.(澤村さん)困っている人の声を記事にして反響があった時や、誰かの役に立つことができたと感じられた時です。また、幼稚園などの子供たちがいる環境で取材を行うと、記者という自分の憧れていた仕事を知ってもらうきっかけを与えることができ、やりがいを感じられます。
 2年目の現在は、小田原の市役所や行政、裁判、選挙等の担当をしていますが、今まで知らなかった組織の仕組みや流れなど、覚えることが多く苦労しています。JPOTの取材活動時より責任は重いですが、仕事を達成できた時のやりがいはとても大きいです。

                                              写真右側中央・澤村さん、右側下段・高橋さん

Q. 記者の世界で女性の活躍はどうですか?

A.(高橋さん) 岐阜新聞の記者に限れば、女性の割合は大体2割くらいです。会社が(地方にあるので)大都市での働き方改革などの風が入りにくい場所にある気がしますし、世の中が変わっていこうとする方向に向いていないような感じがします。まだまだ男社会で、女性が上に行くのは難しいと言われるのが分かります。そんな中で最近嬉しいこともありました。困っていることを聞いてくれる先輩女性記者の方いて、「変えていかなきゃいけないよね」という声を掛けてくれました。

Q.夢や将来の仕事が見つかっていない大学生に、アドバイスできることとは何ですか?
 
A.(澤村さん) 多くの情報に対して、意識的に触れるようにしたほうが良いと思います。やりたいことや、好きなことがわからない状態というのは、情報が不足しているだけなのではないでしょうか。自分の好きなことや、ルーツなどの中からいろんなものを見て、いろんなものを感じ、知っていくことで方向性が見えてくると思います。

(高橋さん)大学時代は自分のなりたかった記者を目指し、就職がゴールだと思っていましたが、仕事を始めた今はあまりそう思いません。周囲には仕事を辞めて新しい会社へ移っていく人もいます。だから就職が大事なことの一つだと思い過ぎなくても良いのではないでしょうか。世の中には仕事がたくさんあるので、それを知るという意味で足をのばして模索し続ける、そんな時間にして欲しいです。これは学生生活に限らずその後も同じような気がします。

〜交流会を終えて〜

(大見山) 澤村さんは学生時代、セクシャルマイノリティーに関する内容の冊子作成活動を自主的に行ったり、新聞社でのアルバイト、海外旅行など、気になることは全部やってみる、といったチャレンジ精神の溢れる方だ。多くの情報を得ることや、視野を広げることは自分自身のことを知れる一番の近道であり、進む方向が見えてくるのだと、澤村さんの行動力というのを今回の取材を経て実感させられた。私もハングリー精神を持って物事にトライし、新しい発見や出会いを見つけられるよう、残りの大学生活を送っていきたい。

(市川) 地方、女性、貧困をキーワードにさまざまな話を伺い、目を向けるべき事柄を再認識した。特に女性の活躍については日本社会が抱える問題でありながら、私は社会の現状を知らなかった。しかし先輩方から現場の声くことで少しだけ知ることができた。
 「とにかく一歩踏み出して情報を掴みに行く」というアドバイスは就活目前の私の胸に刺さり、ありがたい言葉だった。”伝えたい・共有したい”という高橋さんと澤村さんのメッセージをこれからも受け取りたい。

 (文責:大見山梨奈 / 市川晏  広報メディア学科3年生・JPOTメンバー)