大学院工学研究科応用理科学専攻2年次生の和田悠星さん(指導教員=工学部材料科学科・松下純一教授)が、11月3日から6日まで韓国の済州島をメーン会場に開催された環境材料やセラミックスに関する国際学会「16th International Symposium on Novel and Nano Materials(ISNNM2020)」でベストプレゼンテーションアワードを受賞しました。和田さんは同学会にオンラインで参加し、ポスター発表を行った約370件の中から同賞に輝きました。
和田さんは、抗菌やウイルスの除去などにも活用されている光触媒材料を研究しています。現在抗菌スプレーやコーティングには「酸化チタン光触媒」が広く使われていますが、紫外線を含む光源がないと作用せず、蛍光灯やLEDライトの照明があたる室内では十分な効果を発揮しない課題がありました。そこで、可視光でも効率よく性能を発揮する材料について研究。酸化チタンにホウ素を加えた化合物を特殊な方法で加工すると、より可視光に近い帯域でも殺菌や抗菌用を発揮できる可能性がある材料が作れることを明らかにしました。
「この研究は学部4年次生のころから続けてきたものなのですが、何度も失敗し、それでも続けてきたものだったので本当にうれしい気持ちでいっぱいです。大学院進学を許してくれた両親にも心から感謝したい。もともと環境問題に興味があってこの研究を始めましたが、自分なりに考えながら仮説を立て、課題を解決していく過程は本当に面白いと思っています。こうしたことを実感できるのも、学生の自由な発想を大切にしてくれる研究室に所属しているからこそ。先生方にも感謝の気持ちでいっぱいです」と話しています。