工学部の3チームが「サイエンスインカレ」で受賞しました

工学部機械工学科4年次生の学生チームと光・画像工学科の学生チームが「サイエンスインカレ」(主催:文部科学省、後援:独立行政法人科学技術振興機構)に出場し、ファイナリストに選ばれた4チームのうち3チームが受賞しました。この催しは、自然科学分野を学ぶ全国の学生が自主研究の成果を競うことで、課題設定能力やプレゼンテーション能力を備えた創造性豊かな人材を育成することを目的に2011年度から開かれているものです。今年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて1月25日にオンラインで審査会を開催。機械工学科からは工学部門に12チームが応募し、3チームが各賞の選考対象となるファイナリストにノミネート。このうち3年次生の応募者は、学生の自主的な研究力向上を目指す「創造プロジェクト入門」「創造プロジェクト」「創造プロジェクト応用」の科目群を受講し、1年半かけて研究に取り組んだ成果をもとに応募しました。光・画像工学科からは物理・化学部門2チームが応募し、1チームがファイナリストにノミネートされていました。

機械工学科の笹本悠太さん・山本勘介さん(ともに4年次生)は、「エアーリキッド賞」を獲得。「縁の下の力持ちロール化技術の全貌は如何に ~巻取り速度が円周方向スリップに及ぼす影響~」と題して、ロールツーロールという技術を使って薄膜を機械で巻き取っていくと、薄膜同士の間で摩擦が生じて空気を巻き込み、ずれ(スリップ)が生じることを明らかにするとともに、実験と数値解析によって巻き取り速度とずれの大きさの関係を考察しました。さらに同学科の三上駿志さん(同)は「日本ヒューム賞」を受賞。「『羽ばたく・ひねる・前後にずらす』で三位一体の羽ばたき! ~トンボ型MAVの飛翔安定化を目指したリードラグ運動の導入~」のテーマで、超小型のトンボ型飛行体(MAV)の開発を目指し、従来の研究では可能になっていた羽の上下動とひねる動作に加え、前後方向にも動かせるようする技術を開発しました。

山本さんは、「受賞できるとは思っていなかったので、大変驚いています。外部の方に研究を評価していただき、とてもうれしく思いました。研究を指導していただいた機械工学科の砂見雄太先生と先輩方への感謝の気持ちでいっぱいです」語りました。また笹本さんは、「外部の方に認めていただいた研究をさらに発展させていきたい」と話しています。三上さんは、「レベルの高い研究がそろっているサイエンスインカレの中で、私の研究が評価されたことをうれしく思います。研究自体はまだ実験値を主軸とした経験則的なものなので、今後はより理論的な部分にも着手していきたい」と抱負を語っています。

光・画像工学科の細谷理紗さん(4年次生)と黒岩俊也さん(3年)のチームは、「サイエンスインカレアンバサダー賞」を受賞。「銀鏡膜の緑膿菌に対する抗菌性試験とネイルアートへの応用」のテーマで、ジェルネイルを楽しむ女性が発症しやすい爪の緑膿菌感染を、抗菌作用のある銀を使って防ぎつつ、膜をさまざまな色に変化させることでオシャレさも保つことを目指す研究に取り組みました。細谷さんは、「大学に通学するのも困難な中で、研究が形となり、賞を取れたことを光栄に思います。指導してくれた先輩方と光・画像工学科の前田秀一先生に本当にお世話になりました。サイエンスインカレへの参加は、私の財産になりました」とコメント。黒岩さんは、「普段の努力とあくなき向上心で引っ張ってくれた細谷先輩には感謝してもしきれません。今回の受賞に満足せず、来年は私が主体となってサイエンスインカレに挑戦できるよう、研鑽を怠らずに研究を続けていきたい」と話しています。