精神保健福祉士実習報告会を初めて開催しました

健康学部健康マネジメント学科では10月29日から11月19日まで毎週金曜日に、湘南キャンパスで2021年度精神保健福祉士実習報告会を開催しました。精神保健福祉士は、精神科病院や医療施設で精神障害の医療を受けた人たちの社会復帰に関する相談に応じ、助言や指導、日常生活への適応のために必要な訓練を行います。国家資格を取得するためには、医療機関と民間の施設や行政機関等の両方で210時間以上の実習が必要とされており、今年度は本学科の1期生が4年次生になったことから初めて実施。報告会では4年次生11名が8月2日から11月2日までの期間でそれぞれ取り組んできた実習の成果を発表し、次年度の実習に参加する3年次生や教員、実習先の指導者らが聴講しました。

前半の10月29日と11月5日は医療機関での実習を報告。メンタルクリニックで実習した学生は、「あいさつや天気の話題をはじめ、オリンピックの期間中だったので活躍した選手について話すうちに、利用者の皆さんが自然な会話の流れから自身の生活について教えてくれました」と経験を話し、「デイケアを担当する職員はバックアップの立場だと考えていましたが、職員と利用者という関係にとどまらず、日々の生活をともに過ごすパートナーといえる関係性ができていると感じました。私も将来は、利用者の方に“毎日来たい”と思ってもらえる関係性の構築を目指したい」とまとめました。精神科病院で実習した学生は、「ある利用者は笑顔であいさつしてくれるけれど、話している内容がわかりづらかったので答えやすい質問をしたり、座って話すのが苦手な人には散歩について行って話しかけたりするようにしました」とコミュニケーションの様子を紹介しました。

後半の11月12日と19日は民間の施設などの内容を報告。障害者地域活動支援センターで実習した学生は利用者との一対一での面談を振り返り、「話し好きな人だったので、話題が脱線してしまい、聞きたいことをなかなか聞けず苦労したのですが、話すうちに相手の表情や体調がよくなり、“話しやすくてよかった”と言ってもらえました。情報収集だけでなく、面談自体が利用者の支援につながると感じました」とコメント。横浜市にある生活支援センターで実習した学生は、「利用者にとってコミュニティーを広げ、コミュニケーションをとる場だと思っていましたが、周りに人がいる空間の温かさや、人の声がする温もりを感じたくて来ている人もいるのだと知りました。医療機関は治療や休息を与える一方、地域の支援センターは利用者一人ひとりの生活スタイルやニーズに合った支援を提供しなくてはならないと感じました」と新たな学びを得た感想を語っていました。

実習先の指導者からは、「相手の気持ちを理解しようと積極的に話しかけている姿が印象的でした」「専門性の高い仕事なので、実際に就職したら“実習の時に感じたことと違う”と感じることもあると思います。葛藤する自分を認めながら、たくさんのことを考えて利用者の方と向き合ってください」とエールが送られました。指導にあたった長沼洋一講師と中越章乃講師からは、「皆さんが実習先でさまざまな経験をして、多くの学びを得た様子が伝わってきました。まだ実習を終えて間もない人もいますが、指導者や会場の皆さんからの意見も盛り込んで最終レポートをまとめ、さらに学びを深めてください」と話しました。