
健康学部健康マネジメント学科では7月11日に湘南キャンパスで、2025年度春学期「ソーシャルワーク実習指導報告会」を開催しました。社会福祉士の国家資格取得を目指す学生たちは2年次生の秋からソーシャルワーク実習授業で学びを進めたうえで、3年次生の8月・9月に180時間、3年次生の2月に60時間、行政機関、病院、児童相談所、社会福祉協議会、高齢者施設等の2カ所の福祉施設で実習してきました。報告会には、今夏実習に臨む3年次生も出席しました。
報告会の冒頭では菅野和恵学部長があいさつに立ち、「実習を重ねる中で迷うことや難しいと思うこと、もっと勉強しなければならないと感じる場面も多くあったのではないでしょうか。その一つひとつを乗り越え、積み重ねて頑張ってきた自分を誇りに思い、集大成を報告してください」と激励しました。
続いて市川享子准教授が「ソーシャルワーク実習1、2においてソーシャルワークの実践に必要な各科目の知識と技術を統合し、社会福祉士としての価値と倫理に基づく支援を行うための実践能力を身につける。施設・機関等が地域社会の中で果たす役割の理解、総合的かつ包括的な支援における多職種・多機関、地域住民等との連携のあり方及びその具体を体感した経験をもとに、個別的な困りごとを構成する社会的な要因を見出し、メゾレベル、マクロレベルの実践を組立てる力を獲得する」という狙いを説明しました。
学生からは医療、児童、高齢、障害、地域といった領域を代表した5名から発表がありました。
病院と地域包括支援センターで実習した学生は、ジェノグラムやエコマップによる整理から、「介護保険内では必要なケアを補いきれず、家族ケアの前提が解消されていない。仕事を中心に生きてきた人は住まう地域に居場所がないことで、インフォーマルな支援に頼ることが出来ない」という現状を分析したうえで、男性が参加しやすい場づくりの方法について検討しました。
福祉事務所と病院で実習した学生は、医療ニーズの増加や老老介護の増加により介護保険の限界も懸念されるなか、多職種連携やソーシャルワーカーによるアウトリーチによって、当事者の選択肢が広がる可能性があることについて指摘しました。
学生の発表後には実習先の指導者からそれぞれ講評もいただき、実習現場と大学の連携によるソーシャルワーカーの育成に向けて深めることができました。
授業を担当する島崎由宇助教は、「計240時間の実習を乗り越えた学生たちは、実習現場でクライエントと出会う中で、個人の抱える課題を社会の課題として捉え、ソーシャルワーカーとしての視点を深めてきました。学生たちの成長は実習先の指導者の皆さんのご指導があってこそのものです。心より感謝申し上げるとともに、今後ともご協力をお願いいたします。」と結びました。


