人間環境学科の開講科目「エシカル消費論」で特別講義を行いました

教養学部人間環境学科の開講科目「エシカル消費論」(担当教員=岩本泰教授)で7月1日、8日に、い草製品・畳・こたつ・ラグ・寝具製品を中心にインテリア商品の開発・製造・企画・販売を展開する総合インテリアメーカー「イケヒコ・コーポレーション」の担当者を招いた特別講義を実施しました。今年度から開講している同授業は、持続可能な社会づくりに向けて具体的な消費行動を構想する能力を養い、社会変革のための態度・指向性を身につけることを目的としています。両日ともに1年次生約100名が聴講しました。

1日には同社の担当者が湘南校舎を訪れ、同社が開発するい草製品について紹介。用途の約8割を占める畳のマーケット推移が縮小している現状や日本における畳の歴史を解説し、「住宅の洋式化など時代の変容に基づく課題が挙げられる一方で、消臭や湿度調整、耐久性といった特徴のほか二酸化炭素を吸収することで環境改善にも効果がある」と説明しました。また、化学肥料や農薬を使わず有機栽培されたオーガニックコットンの事業について取り組みの経緯や社員の反応などを振り返り、「オーガニックコットンはSDGsの17目標すべての達成に貢献できる取り組み。最初は異論を唱えていた社員からの理解も段々と得られるようになり、『身近な綿製品で環境、労働の問題が起きていることを知らなかった』『こういう取り組みをしている会社で働くことができてうれしい』といった声が上がっており、情報発信と参加意識の大切さを実感しました。今後も商売優先ではなく社会貢献の観点から、消費者の方々に向けて情報の発信を続けていきたい」と語りました。

8日の授業はイケヒコ・コーポレーションとオンラインでつなぎ、岩本教授がゼミ活動の一環で参加した「サステナブルグッズEXPO」の様子を紹介。出展されていたブースを振り返り、企業の取り組みや製品の製造工程、価格設定などを紹介しました。続いて、前回の講義後に実施したアンケートをもとに、学生がどのような製品に興味を持っているのかを検証。また、い草を用いた新商品の提案としてトイレマットやカーテン、スマホケースなど多様な回答を企業担当者と共有し、製品化の実現に向けた課題や具体的な加工方法など意見を交わしました。

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