情報通信学部公開セミナー「北欧から考える未来の暮らし」を開催しました

情報通信学部では3月19日に高輪キャンパスで、2021年度東海大学情報通信学部公開セミナー「北欧から考える未来の暮らし」を開催しました。東海大学と情報通信学部の学びや活動を地域に広く還元することが目的で、昨年度に続き本学とつながりの深い「北欧」をテーマに設定。オンラインでもライブ配信し、会場と合わせて約160名が参加しました。

はじめに本学部の濱本和彦学部長がセミナーの趣旨や本学と北欧のつながりについて説明し、山田清志学長がオンラインであいさつ。「本学にとって北欧は建学以来、密接な連携を図っている地域であることに加え、北欧諸国はSDGsやカーボンニュートラル、DXなど今の旬の話題のすべてにかかわっています。今日は情報通信を切り口に、さまざまな話題について議論を深めてください」と語りました。続いて駐日ノルウェー大使のインガM.W.ニーハマル閣下が「ジェンダー平等と持続可能性」と題して基調講演。「SDGsの5番目の目標である『ジェンダー平等を実現しよう』は、他の目標にも深くかかわるものであり、ジェンダー平等の実現なくして17の目標は達成できません」と強調。そのうえで北欧諸国における女性の政治参加の歴史やそれを支える制度について触れ、「ジェンダー平等は与えられたものではなく、多くの努力によって勝ち取ってきた勝利の道筋と言えるのではないでしょうか。一方で、北欧の労働市場は依然として性別分離が目立ち、地位や給料などでもさまざまな違いが見られます。ジェンダー平等は女性だけに適用されるものではなく、男性も同様に多くの自由と機会を得ていくことが大切です」と語りました。

その後は濱本学部長と文化社会学部北欧学科の柴山由理子講師がモデレーターを務め、「デザインと暮らし」「技術と暮らし」「持続可能な社会を目指して」をテーマに3つのセッションを実施。北欧諸国における照明や家具が日常生活や空間に与える影響をはじめ、義手・義足やVRの最新技術、循環型経済やクリーンエネルギーなどについて8名が講演しました。最後に濱本学部長が閉会のあいさつとして各講演を振り返り、「今回のテーマである未来の暮らしを考えるにあたり、日本人は考えを新しくしなければならない一方で、過去に学ぶ必要もあるのではないかと感じました。教養教育の大切さや、それにつながる専門教育の必要性についても、来年度以降のセミナーで考えていきたい」と語りました。

【当日のアーカイブ動画】
https://youtu.be/4c56MLmXw5k

【セッション登壇者一覧】
<セッション1:「デザインと暮らし」 モデレーター:柴山講師>
織田憲嗣本学名誉教授
荒谷真司氏(ルイスポールセンジャパン)

<セッション2:「技術と暮らし」 モデレーター:濱本学部長>
内田貴子氏(ビジネスオウルシニアアドバイザー)
ブリンヨルフル・ブリンヨルフソン氏(オズールジャパン)
ポール・ヤン氏(ZOAN JAPAN)

<セッション3:「持続可能な社会を目指して」 モデレーター:濱本学部長、柴山講師>
ミカール・ベルグ氏(ノルウェー大使館)
村上有美氏(スウェーデン大使館)
ニコラス・カルヴォネン氏(ノルディックイノベーションハウス東京)