情報技術センターの長幸平教授が「CONCERT-Japan国際ワークショップ」で研究成果を発表しました

東海大学情報技術センター所長代理で情報理工学部長の長幸平教授が代表を務める国際研究チームが、11月25日に独立行政法人科学技術振興機構(JST) 東京本部別館で開催された「CONCERT-Japan国際ワークショップ」(主催:JST)で、「災害復興を目的としたリモートセンシングと空間情報技 術による被災情報図の即時作成と配信:RAPIDMAP」の研究成果を報告しました。

CONCERT-Japan(Connecting and Coordinating Europe Research and Technology development with Japan)は、ヨーロッパ各国と日本との科学技術協力を推進するために欧州連合(EU)が企画した国際協力プロジェクトで、9カ国13研究支援機関が参 加しています。今回のワークショップは、CONCERT-Japanの枠組みでJSTおよびEUが公募・採択した「災害に対する回復力」に関する5つの研 究プロジェクト(期間:2013、14年度)の成果報告会として開催されたものです。当日は、同プロジェクトに参加した各国の大学や企業の研究者ら約50 名が参加。JSTの外村正一郎理事の挨拶に続き、各研究チームの代表者らが、これまでの研究成果を発表しました。

長教授の研究チームは、航空撮影した被災地の画像を迅速に処理、解析して地図化し、インターネットやタブレット端末を使って救援チームなどにいち早く被災 地の情報を提供するシステムの開発を目指したプロジェクトを展開。本学の情報技術センターや情報理工学部の研究者のほか、日本大学、株式会社パスコ、スイ ス工科大学、イタリア・トレントFBK財団、ドイツ・ダムスタット工科大学の研究者や大学院生が参加し、精力的に研究を進めてきました。

日本側の代表として登壇した長教授は最初に、全体計画を説明。東海大学宇宙情報センター(熊本県益城町)に設置されている小型Xバンドアンテナで受信した 衛星画像を、高度自動処理システムを用いて即時配信するシステムや、日本大学が開発した小型無人航空機(UAV)による地理状況の観測手法について解説し ました。続いて、ヨーロッパ側の代表を務めるスイス工科大学のEmmanuel Baltsavias教授が、ヨーロッパの研究者が中心となって研究を進めている衛星画像を精密に補正する方法や、2時点で撮影した画像から地理状況の変 化を抽出する技術に関する研究成果を報告しました。

長教授は本ワークショップについて、「今回発表された5つのプロジェクトは別々に研究を進めてきましたが、一堂に会して情報交換できたことは大変有意義で した」とコメント。「災害に対するアプローチはさまざまでしたが、各研究の内容は関連しており、大いに刺激を受けました。本プロジェクトは来年の3月まで 続きますので、今後も、欧州のチームと協力し合って実りある研究成果を残したい」と抱負を語りました。なお、JSTの担当者からは、「今回の日欧の国際協 同研究による成果を高く評価しており、できれば来年度以降もCONCERT-Japanの枠組みの中でプロジェクトが継続できるよう検討したい」とコメン トが寄せられました。

情報技術センターの長幸平教授が「CONCERT-Japan国際ワークショップ」で研究成果を発表しました

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