学生の卒業研究がポーランド国立科学アカデミー発行の科学誌に原著論文として掲載されます

情報理工学部情報科学科の卒業生で、大学院工学研究科電気電子工学専攻修士課程2年次生の石黒知秀さんらが卒業論文作成のために行った研究「Immersive experience influences eye blink rate during virtual reality gaming」が厳しい査読を経て、ポーランド国立科学アカデミー発行の科学誌「Polish Psychological Bulletin」に近日中に原著論文として掲載されることが決定しました。

石黒さんらは本学科で学んだプログラミング技術をベースにバーチャルリアリティ射的ゲームを作成し、ユーザーが遊戯しているときのまばたきを詳細に解析。ゲームに没入しているときにその頻度が増加することを発見しました。この研究成果は、まばたきを測定することにより、バーチャルリアリティゲームのユーザビリティを客観的に評価できる可能性を示しており、ゲーム開発メーカーにおいてよりよいソフトウエア製作に応用できるものとして期待されます。

論文の筆頭著者である石黒さんは、「情報科学科でゲームプログラミングを自主的に学ぶPISTというサークルを友人と立ち上げ、そこで作成したバーチャルリアリティゲームから研究に発展させました。東海大学には、さまざまな個性と興味を持った学生がたくさんいます。東海大に入学される皆さんには多様な価値観と興味を持った仲間をたくさんつくっていただき、私のように仲間たちとともに誰もやったことがない創造的な研究にチャレンジしていってもらえればと思います」と後輩たちにエールを送りました。

指導教員の高雄元晴教授は、「本学はすぐれた研究環境・設備、そして多様な研究領域を誇る大学です。学生の皆さんの若い発想力で思いついた素朴な研究のタネを、世界に通用する研究に成長させていただけるだけの研究力を持った先生もたくさんいらっしゃいます。学生が考えたアイデアだから最先端の研究からほど遠いものだと思わず、学部学科の垣根をこえて先生方に相談してほしい」と語りました。

論文の掲載予定の巻号ページは次のとおりです。Ishiguro T., Suzuki C., Nakakoji H., Funagira Y., Takao M. (2019) Immersive experience influences eye blink rate during virtual reality gaming. Polish Psychological Bulletin 50(1): 49–53.

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