医学部付属病院では1月31日に伊勢原市民文化会館で、地域の人々を対象とした「がんセミナー」を開催しました。大学院医学研究科が文部科学省の支援を受けて展開している事業「次世代がん医療を担う多職種人材養成プラン※」の一環で企画したものです。「がん検診―早期発見・早期治療で笑顔を守ろう―」をテーマに、当院健診センターの西﨑泰弘センター長(医学部医学科総合診療学系健康管理学領域主任教授)と、乳がん検診の啓発活動などに取り組む歌手の麻倉未稀氏が講演。近隣の住民や教職員、学生ら約150名が参加しました。
初めに、本事業の責任者を務める医学研究科の穂積勝人研究科長が登壇。セミナーの趣旨を説明し、「AIで簡単に情報が入手できる時代だからこそ、人から寄せられる声や思いなどの情報を尊重することが大切と考えています。今日はそうした情報を皆さんと共有したいと思います」とあいさつしました。


第一部では西﨑センター長が、「世界に冠たる日本のがん検診の現状について~がんの危険から遠ざかるために~」と題して講演。がんの種類別、性別、年齢別の罹患率と死亡率を紹介し、「年代により罹患しやすいがんを知った上で検診を受けることが重要」と語りました。また、「日本が世界一の健康長寿国になった背景には、国民皆保険制度に加え、手厚い健康診断やがんなどの検診制度がある」と指摘し、他国と比較しながら制度の枠組みや特長を説明。健康増進法に基づき、一部の自己負担で検査が受けられる胃がんと大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの原因や検査内容、予防法について解説し、「検診制度を皆さんやご家族の健康に役立ててください」とまとめました。
第二部では麻倉氏が、「がんと共に笑顔で生きる」をテーマに、乳がんと診断されてからの不安や焦燥、医療従事者や周囲の支えによって手術後3週間でステージに復帰するまでの日々を紹介。「手術後は力まずに歌えるようになり、自分の歌で人を励ませると改めて気づくこともできました。がんからのプレゼントなのかもしれません」と振り返りました。さらに、がんに関する啓発活動や患者・家族の支援を目的として立ち上げた認定NPO法人あいおぷらす、一般社団法人ピンクバルーンの取り組みを紹介。「治療法の進化により、がんになっても自分らしい人生を送れます。素敵な人生であるよう願っています」と語りかけ、自身の楽曲『ヒーロー』を熱唱しました。会場からは大きな拍手が贈られました。
終了後、あいさつに立った秦野伸二副学長(研究担当、医学部医学科教授)は、「がん検診などをしっかり受けるとともに日々の生活に留意することで、より健康な生活が送れます。今日の内容を、ぜひ家族や周囲の人に伝えてください。本学も皆さんの健康を守るために努力していきます」と結びました。


※令和5年に、文部科学省「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」の採択(6年間)を受け、本学を含む7大学(主管=東京科学大学)が連携して「次世代がん医療を担う多職種人材養成プラン」を展開。がん医療の現場で顕在化する課題に対応する人材や、がん予防を推進する人材、新たな治療法を開発する人材の養成などに取り組んでいます。
詳細は下記URLからご覧いただけます。
https://ganpro.med-tokai.jp/