医学部付属病院が「脳卒中」をテーマに市民公開講座を開催しました

医学部付属病院では5月16に伊勢原キャンパスの松前記念講堂で、市民公開講座「脳卒中は時間との闘い~発症したらすぐ病院へ!~」を開催しました。地域における急性期脳卒中診療の中核拠点として今年度に開設した脳卒中センターが企画したものです。脳神経内科と脳神経外科、救命救急科の医師が、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の発症の兆候や対応方法、治療法について解説。近隣の住民や医療従事者、消防署の救急救命士ら約150名が聴講しました。

はじめに、永田栄一郎センター長(副院長)が、センター開設の目的や診療の流れを説明。「24時間365日実施している脳卒中患者の受け入れをさらに強化し、発症から病院への搬送、診断、治療、リハビリテーションまでを、より円滑に実施する体制を整えました。今日は、脳卒中が疑われる症状や119番通報のタイミング、予防法などに関する理解を深めてください」とあいさつしました。

続いて、救命救急科の守田誠司診療科長の進行で3名の医師が講演。救命救急科の青木弘道医師は、ドクターヘリなどによる患者の救急搬送システムについて説明し、「寝たきりになる原因の第1位は脳卒中です。激しい頭痛や顔のゆがみ、言語障害、四肢麻痺などが突然発症した場合は、迷わず救急車を呼んでください」と強調。患者を迅速・適切に治療につなげるため、当院高度救命救急センターが秦野市・伊勢原市共同消防指令センターと連携して運用しているスマートフォンを活用した映像通報システム「Live119」についても紹介しました。

脳神経内科の中山平医師は、「脳卒中は、死亡率は低いが後遺症が残る可能性は高い」と語り、高血圧や糖尿病、不整脈、喫煙といった危険因子と、発症後の留意点を説明。「血栓を溶かすrt-PA療法は発症から4.5時間以内、血栓を取り除くカテーテル治療は6時間以内とされるなど、治療にはタイムリミットがあります。少しでも早く治療につなげるため、様子をみることなく直ちに119番通報を」と呼びかけました。

最後に、脳神経外科の長田貴洋医師が、「突然始まる頭痛」「バットで殴られたような頭痛」「発熱を伴う頭痛」など、脳卒中が原因で起こる危険な頭痛について解説。「頭痛には命に関わる疾患が隠れている場合があります。異常を感じたら速やかな受診が重要です」と語りました。また、脳出血やくも膜下出血に対する開頭クリッピング術、脳動脈瘤コイル塞栓術といった外科的治療法についても説明しました。

終了後には、事前に寄せられた質問と会場からの質問に、登壇者が丁寧に回答。参加者は、「脳卒中が疑われる危険な症状や、速やかな受診が必要な理由がよく分かりました。緊急時に対応できるよう家族や友人に伝えます」「救急車を呼ぶか否かの判断は難しいので、消防署に送った患者の動画を見て医師が即座に判断してくれる『Live119』は素晴らしいと思いました」と感想を話していました。

※当日のプログラムは以下のとおりです。
【開会あいさつ】
 永田栄一郎医師(医学部付属病院副院長、脳卒中センター長、医学科内科学系学系長)
【総合座長】
 守田誠司医師(医学部付属病院副院長、医学科総合診療学系救命救急医学領域主任教授)
【講演】
 1.「あなたの街の救急システム―脳卒中診療の最前線―」
   青木弘道医師(医学部付属病院救命救急科、医学科総合診療学系救命救急医学領域講師)  
 2.「様子をみちゃダメ脳卒中」
  中山 平医師(医学部付属病院脳神経内科、医学科内科学系脳神経内科学領域講師)
 3.「頭痛と脳卒中」
  長田貴洋医師(医学部付属病院脳神経外科、医学科外科学系脳神経外科学領域講師)
【質疑応答】
【閉会あいさつ】
 長田貴洋医師