「東海大学看護研究会第13回学術集会」を開催しました

伊勢原キャンパスで7月21日に、「東海大学看護研究会第13回学術集会」を開催しました。本研究会は、学校法人東海大学の看護教育機関と医学部付属病院機関の教員や看護職者が連携促進と学園全体における看護の質向上を図るため2011年に創設。毎年学術集会を開いています。コロナ禍を経て5年ぶりの対面実施となった今回は、付属病院看護部が事務局を務め、「『TOKAI』看護を継承し、未来を切り拓く」をテーマに企画。医学部看護学科と医学部付属3病院(付属病院、東京病院、八王子病院)、看護師キャリア支援センターから200名を超える教職員らが参加しました。

初めに大会長を務めた付属病院の横田弘子看護部長が、「今年度は医学部と付属病院の創設50周年に当たります。この節目の年に、看護師として何を大切にし、何をなすべきか、自分のキャリアをどう形成するかを一人ひとりが考え、未来につなげたいと思います」とあいさつ。続いて会員が、口頭で7件、ポスターで5件の研究発表を行いました。

基調講演には、東京医療保健大学副学長の坂本すが氏が登壇。「看護の原点と看護の未来を考える」をテーマに、人生100年時代に看護師が元気に働き続けるためのポイントや、多様化する看護ニーズに対応するために求められる教養や自調自考の力について説明しました。その上で、「看護とは、患者さんの生きる力を引き出すこと」と提言し、「自分のアイデンティーを見つめ直すとともに、自分にとって看護の原点とは何かを考えてください。そして、世の中や患者像の変化を見据えながら常にその原点に立ち返り、キャリアビジョンを描いてほしいと思います」と語りました。

「『TOKAI』看護の未来への挑戦~TOKAI看護を学んだ私の今、そして未来へ~」と題したシンポジウムでは、医療技術短期大学(2021年度閉学)と健康科学部看護学科(現・医学部看護学科)の卒業生4名がシンポジストとして登壇。大学と医学部付属病院機関での学びや経験を生かした多彩な活動を紹介しました。医学部付属病院の折田睦子氏は、患者と医療者の仲介役となる医療メディエーターになるまでを振り返り、NPO法人よろずやたきの会の森愛氏は、医療的ケアが必要な子どもや保護者への支援事業を紹介。民間救急や福祉タクシーを展開するDay dream KYG.合同会社の堀内茜氏は、単なる搬送を超えた、終末期の患者の願いをかなえる支援事例について説明し、株式会社健幸プラス代表取締役の大濵育恵氏は、高齢者等に対する見守り付きの食事の宅配など人々の“つながり”を意識したサービスを紹介しました。講演後にはシンポジストと参加者が意見を交わしました。

最後に、次回の大会長を務める看護学科の井上玲子教授が、「多くの参加が得られ、本学の看護職の熱意を感じました。今日は今後の学園のよりよい看護を考える機会になったと思います。次回も多くの看護職が交流できる企画を考えていきます」とあいさつしました。