医学部医学科では8月5日から10日まで、ハワイ東海インターナショナルカレッジ(HTIC)を拠点に「臨床医学英語研修」(Hawaii Medical English Program)を実施しました。本学科では世界に通じる良医の育成を目指し、多彩な海外留学制度や海外研修プログラムを展開しています。この研修は、医学英語や医療英会話、英語による医療面接の基本を学ぶとともに国際的視野を広げることを目的として、ハワイ大学の協力を得て、神戸大学、高知大学と連携して運営しているものです。今回は本学科の5年次生6名をはじめ、慶應義塾大学や自治医科大学ほか全国からの医学部生、計20名が受講しました。
学生たちは、医療面接やプレゼンテーションのポイントについてレクチャーを受けた後、医師役となって模擬医療面接を実施。ハワイ大学医学部の学生が演じる模擬患者から病状や病歴などを聞き取り、指導医役の医師たちにケースプレゼンテーションする実践的なトレーニングを繰り返しました。また、アメリカにおける医学教育や医療制度に関する特別講義を受講したほか、聖ルカクリニックやハワイ大学マノア校、ハワイ大学医学部も見学しました。
本学科のタイ研修に参加するなど海外の医療にも目を向けて学んできた中沢綾華さんは、「ケースプレゼンテーションで現地の医師から受けたフィードバックは、大きな財産になりました。受講した他大学の学生やハワイ大学の学生との交流を通じて勉学へのモチベーションが高まり、視野を広げられたことも収穫です。特別講義は、医師の活動の多様さを知り、自分の進むべき方向を改めて考える機会になりました。英語での医療活動は国内外で求められていると思います。この経験を、来春からの留学や今後のキャリアに生かしていきます」と意欲を語っていました。
指導した落合成紀医師(総合診療学系小児科学領域助教)は、「この研修は、本学科では海外留学する学生の必修プログラムとなっています。海外での臨床実習には特に高度な英語力が求められることもあり、授業時間を終えても教員にプレゼンの練習を求めるなど、貪欲に学ぶ学生の姿が印象的でした。担当させてもらった特別講演では、ハワイ大学マノア校での学部生時代や本学科への編入学、海外留学といった自分自身の経験を振り返りながら、世界の多様な人々や文化、価値観に触れて視野を広げる大切さについて話しました。参加者は異国の地に身を置いているからこそ、その意義をいっそう深く感じてくれたと思います。ゴールも、ゴールへの道も一つではありません。学生たちがこのプログラムをステップに自分の可能性を広げ、それぞれのフィールドで活躍してくれることを期待しています」と話していました。