医学部看護学科では8月28日から9月6日まで、「デンマーク研修」を実施しました。国際的な視野を持つ看護職者の育成を目指し、選択科目「国際看護研修(デンマーク)」として開講しているものです。今回は、2年次生7名と4年次生3名の計10名が参加。コペンハーゲン近郊にある東海大学ヨーロッパ学術センター(TUEC)を拠点に、学術交流協定を締結しているデアコネス大学看護学部や医療機関、福祉施設などを訪問しました。
学生たちは、初めにデンマーク看護協会を訪れ、看護制度や看護師の支援体制に関する講義を受講。リハビリテーション&急性期医療センターでは現地で働く日本人の看護師から、施設の概要や退院後の自立生活が困難な人を介護施設や在宅へとつなぐ取り組みについて説明を受けました。デアコネス大学ではキャンパスを見学し、教員や学生と交流。大学の概要や学生生活に関するレクチャーを受け、青空の下で現地教員を交えたカンファレンスも体験しました。また、高齢者のケア施設や国民高等学校を訪問し、社会福祉や教育制度についても学習。TUECでは、同時期に研修に訪れていた本学健康学部健康マネジメント学科の学生との交流会も行いました。
2年次生の筧麗加さんは、「患者さんの希望を第一に考えて支援方法を考え、実現する仕組みが整っていることに感銘を受けました。健康学部の学生との意見交換では、さまざまな視点から物事を見る大切さや多職種連携の意義にも気づかされました。現地を訪問したからこそ、日本との類似点や違いをより深く学べたと感じています。研修の成果を臨床実習や将来に生かすとともに、文化や言葉が異なる患者さんにも対応できるよう、国際感覚も養っていきたい」と意欲を見せていました。
指導する森屋宏美准教授は、「学生たちは、誰とでも分け隔てなくコミュニケーションを取り合う現地の人々の様子を見て、人と人との対話こそが日々の幸福度を高める重要なファクターだと気づいたようです。デンマークをモデルとした本学の教育の根底を、改めて認識できました。健康学部の研修団との交流は初めての試みでしたが、北欧らしいあたたかな照明のもとで対話をする学生たちの姿は、明るい未来へと向かう気概と希望にあふれたものでした。学生たちのモチベーションが続くよう、引き続き支援していきます」と話していました。