医学部医学科の鈴木秀和教授が韓国ヘリコバクター・上部消化管学会で「Most cited article award」を受賞しました

医学部医学科の鈴木秀和教授(内科学系消化器内科学領域)がこのほど、第34回韓国ヘリコバクター・上部消化管学会の「Most cited article award」を受賞しました。2025年に同学会誌『Helicobacter and Upper Gastrointestinal Research』に掲載された論文の中で、鈴木教授が発表した「早期胃がんおよびハイリスク胃炎の内視鏡診断」が最も多く引用され、アジアや周辺各国における胃がんの診断・治療に貢献したことが評価されたものです。3月19日から21日までソウル市内で開催された同学会の学術集会で、表彰式が行われました。

対象論文は、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染を主要因として発症する胃がんや、胃がんになるリスクの高い胃炎を正確に診断するための内視鏡検査における特徴的な所見について解説し、粘膜の炎症や前がん変化を総合的に評価する重要性を指摘したものです。内視鏡検査による胃がんリスクの評価指標である「胃炎の京都分類」の概要や、早期胃がんにおける診断のポイント、ピロリ菌を除菌した後のフォローアップの意義をはじめ、画像診断を補完するAI活用の可能性についても言及しています。

鈴木教授は、「胃がんは早期発見・治療により死亡率を下げられます。その要となるのは“正確な内視鏡診断”であり、本論文では、診断のクオリティーを高めるための内視鏡画像の見方やリスク評価の基準を、症例を挙げて具体的に説明しました。日本や韓国が、欧米諸国に比べて胃がんの有病率が高いにもかかわらず死亡率が低いのは、公的支援などによる胃がん検診が行われ、早期の診断・治療が可能になっているからと考えられます。本論文が注目されることで世界各国の検診や診断の充実が図られ、胃がん死亡率の低下や健康寿命の延伸につながればうれしく思います」と話します。

医学部付属病院消化器内科で診療に当たる鈴木教授は、2025年度に本病院に開設した炎症性腸疾患センターのセンター長としても、多様な診療科や多職種、地域の関連施設と連携して腸疾患の臨床・研究・教育に従事しています。また、日本ヘリコバクター学会理事長、日本微小循環学会理事長を務めるなど、国内外の医療の発展に尽力しています。「受賞を励みに、消化管疾患に関する臨床・研究をさらに発展させるとともに、専門医の育成に努めていきます」と語っています。

※『Helicobacter and Upper Gastrointestinal Research』に掲載された論文は、下記URLからご覧いただけます。
https://koreascience.kr/article/JAKO202422032403123.pdf