医学部看護学科ではハワイ東海インターナショナルカレッジ(HTIC)と連携し、ハワイで活躍する日本人看護師によるオンライン講演会「Remote Session with HTIC:Nursing English 2021」を8月14日に実施しました。新しい時代の国際社会に貢献できる能力と国際的な視野を身に付けてもらうため、全学科生を対象として初めて実施したものです。ホノルル市にある聖ルカクリニックで働く西村ちえ氏と、同市内のクィーンズメディカルセンターに勤務するユカ・ハザム氏が英語で講演し、学生や大学院生、教員ら多数が参加しました。
初めに西村氏が、「ハワイにおけるファミリー・ナースプラクティショナー」と題して講演。聖ルカクリニックの施設や診察室での看護実践の様子を画像で紹介しながら、特定の範囲で医師と同様に診断や治療ができるナースプラクティショナーの役割や責任について解説しました。また、かかりつけ医の意義や医療従事者らの連携についても説明し、「乳児から高齢者まで幅広く対応し、患者さんと家族の一番近くにいるのがファミリー・ナースプラクティショナーです。クリニックでの診療はもちろん、通院できない患者さんを訪問診療し、食事の指導など日常生活に介入したケアができるのもポイントです」と説明しました。
続いて、救急医療クリニカル・ナーススペシャリスト(専門分野に関する高度な知識と技術、能力を有する看護師)で、日本の看護師や看護学生を対象としたグローバルナースの育成にも取り組むハザム氏が、「アメリカのヘルスケアと看護」をテーマに講演。アメリカの医療・看護制度を日本と比較しながら紹介し、多文化社会のアメリカでは、患者に対しても医療従事者同士でも、多様な価値観を尊重する姿勢が求められることを説明しました。また、「質の高いケアとは何か」と参加者に問いかけて意見を交わし、「最も重要なのは安全なケアの提供です。そのためには、常に知識をアップデートして技術を研き続けなければなりません」と語りました。
参加者からは、「医療システムや看護教育、看護師の資格など、アメリカと日本の違いが明確になりました。ナースプラクティショナーが担う医療行為の幅広さに驚きました」「強い意志と情熱を持って仕事に臨む姿に感銘を受けました。どのような看護師になりたいかをしっかりと考えながら学びたい」といった感想が聞かれました。本講演会を企画した国際交流委員長の庄村雅子教授は、「学生たちが医療に関する視野を広げ、英語学習への意欲やキャリアプランニングへの意識を高める機会になったと思います。今後もHTICの皆さんの協力を得ながら、海外で活躍している医療従事者との交流などを通じて国際社会について学ぶ機会を設けていきたい」と話しています。