医学部看護学科の石原講師が伊勢原市老人クラブの講師を務めました

医学部看護学科の石原孝子講師が7月7日に、伊勢原市老人クラブ連合会の研修会で講師を務めました。研修会は、話し相手や見守りを必要とする高齢者を同世代の仲間として支える友愛活動に取り組んでいる「友愛チーム研究協議会」が、メンバーの資質向上を目的として実施したものです。地域・在宅看護が専門の石原講師は、「メタボにロコモに認知症+α ~今そこにある危機~」をテーマに講演しました。

石原講師は、日本の人口や高齢化率、社会保障費の推移を示しながら、「やがては1人の若者が1人の高齢者を支える時代がくる」との予測を紹介し、社会保障改革により「支え手」を増やすとともに、健康寿命の延伸や高齢者が長く活躍できる環境づくりが求められていると指摘。その上で、加齢とともに増加するメタボリックシンドロームやロコモーティブシンドロームを含むフレイル、認知症の概要や予防法について説明しました。また、万一のときに備えて、自分が希望する医療・介護や、自分にとって大切なことなどを話し合い、伝えておく「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP=人生会議)の意義や進め方についても紹介しました。

参加者は、「ユーモアを交えながら分かりやすく話していただき、頭も体も使って楽しく学べました」「メタボやロコモを防ぐための留意点をしっかりと理解できました。生活習慣病チェックシートも友愛活動に生かしたい」「人生会議についてもお聞きできてよかったです。自分自身の考えをまとめるとともに、身近な人や地域の方にも紹介したいと思います」と感想を話していました。

石原講師は、「誰もが年齢とともに衰えていきますから、医療費や介護費がかさむのはやむを得ません。しかし、たとえ高齢になっても“生きることは世のため人のため”です。自分の健康を大切にすれば誰かの役に立つことができ、それは生きがいとして自分の元気につながるでしょう。ACPについてもできるだけ多くの人に知ってほしいと考えて紹介しました。聴講者の皆さんが、普段の友愛活動を通じて地域の方に広く伝えていただければうれしく思います。人と人の関わりは、いろいろな世界への入り口になります。友愛チームの活動が継続、拡大されることを願っています」と話していました。