医学部医学科が「臨床医学英語研修」を実施しました

医学部医学科では8月14日から18日まで、ハワイ東海インターナショナルカレッジ(HTIC)を拠点に「臨床医学英語研修」(Hawaii Medical English Program)を実施しました。本学科では世界に通じる良医の育成を目指し、多彩な海外留学制度や海外研修プログラムを展開しています。この研修は、医学英語や医療英会話、英語による医療面接の基本を学ぶとともに国際的視野を広げることを目的として、ハワイ大学の協力を得て、神戸大学、高知大学と連携して運営しています。今回は本学科5年次生7名をはじめ、慶應義塾大学や大阪大学、名古屋大学ほか全国からの医学部生、計24名が受講しました。

学生たちは、医療面接の基本的なセンテンスや留意点についてレクチャーを受けた後、医師役となって模擬医療面接に臨み、ハワイ大学医学部の学生が演じる模擬患者から病状や病歴などを聞いて鑑別し、現地の医師と引率教員にプレゼンテーションするトレーニングを繰り返しました。さらに、アメリカにおける医学教育や医師国家試験、臨床研修制度に関するレクチャーを受けたほか、現地の医療機関も見学しました。

下田ほのかさんは、「最初は緊張しましたが、研修が始まると恥ずかしさや怖さを忘れ、無我夢中でディスカッションしていました。現地の医師に対するケースプレゼンテーションは特に貴重な機会と考えて積極的に取り組むことで、英語によるプレゼンに自信を持てるようになりました。失敗を恐れずに挑む大切さを学べたのも大きな成果です。出会った学生の医学や英語学修に対する真摯な姿勢にも刺激され、勉学への意欲がさらに高まりました。留学先でもこの経験を生かしたい」と話していました。

指導する本学科国際交流委員の鍋島一仁准教授は、「この研修は海外留学する学生の必修プログラムとなっており、参加する学生の多くは先進国から発展途上国まで多様な地域で医師として活動したいという明確な目標を持っています。初日に戸惑っていた学生も最終日には堂々と医療面接を行い、ハワイ大学と日本の学生に分かれての鑑別診断でも大いに議論が盛り上がるなど、学生たちの努力と成長には目を見張るものがありました。一つの答えにこだわるのではなく、いかに多くの疾患の可能性を見いだせるかを重視するアメリカの医学教育を体験的に学べたことも刺激になったと思います。この研修を受講した本学科の卒業生の中には、アメリカの医師免許試験(USMLE)に合格して現地で働いている人もいます。学生たちが、このプログラムを土台として留学先での臨床実習を充実させるとともに、自分の目標を達成してグローバルに活躍してくれることを期待しています」と語っています。