医学部医学科の後藤教授が福田記念医療技術振興財団の研究費助成事業に採択されました

医学部医学科の後藤信哉教授(内科学系循環器内科学領域/総合医学研究所)が中心となって携わっている循環器疾患に関する国際共同研究がこのほど、公益財団法人福田記念医療技術振興財団の研究助成事業(共同研究)に採択されました。10月20日に東京都内で助成者記念品贈呈式が開かれ、後藤教授が助成対象となった「多次元情報解析技術と医用工学の連成による循環器病診断・治療の個別最適化技術確立のための国際共同研究」の概要を紹介しました。

同財団は、医用電子工学(Medical Electronics=ME)を利用した医療技術の向上や医療福祉の進歩に寄与することを目的として活動しています。この助成は、MEを利用した医療機器の診断・治療技術に関する研究や医療機器の開発・改良につながる基礎的研究に取り組む研究機関、研究者を支援するものです。

後藤教授は、イギリスのオックスフォード大学やアメリカのハーバード大学、デューク大学の研究者らと共同で、血栓予防のために抗血液凝固薬を服用している各国の患者の遺伝子情報や、血圧や心電図、血液成分などのバイオマーカー、生活習慣、身体的所見といった時系列的な多次元情報を収集。ビッグデータを機械学習させて、虚血性心疾患などの発症確率を予測する人工知能(AI)を開発しました。

後藤教授は、「現在は、疾患ごとに標準的な診断・治療が行われていますが、開発したAIを活用することで、個々の患者さんに応じたより効果的な医療の実現につながると考えています。今回の採択は、国際的なデータベースの構築による個別最適化医療への取り組みを評価していただいたと受け止めています。現在はベンチャー企業と連携し、臨床応用を見据えた研究を進めています。さらに予測精度を高めるとともに、社会実装を目指して研究を加速させたい」と話しています。