医学部看護学科と医学部付属病院で1月29日から2月29日まで、デンマーク・VIAユニバーシティカレッジ看護学科のマリア・ワタナベさんが研修に取り組みました。本学科では国際社会に貢献できる看護職者の育成などを目的に、2021年2月に同カレッジ看護学科と学術交流に関する包括協定を締結※。相互訪問による研修などを通じて連携を深めています。この研修は、昨年5月にVIAカレッジの研修団の一員として本学科を訪れたマリアさんの「さらに深く学びたい」との希望を受け、付属病院の協力を得て実施したものです。
マリアさんは教員から、特定機能病院として高度医療を提供するとともに地域の急性期医療を担う医学部付属病院の概要を学び、前半は高度救命救急センター、後半は集中治療室(ICU)で、看護師のケアを観察するシャドーイング研修に取り組みました。また、急性・重症患者看護分野の専門看護師からその役割についてのレクチャーも受講。教員の案内で小児病棟や新生児集中治療室(NICU)、母体胎児集中治療室(MFICU)を見学し、入院中の子どもたちの教育に関する講義も受けました。
最終日の「Farewell Party」には、指導した教員や看護師が参加。学生を代表して3年次生の高橋礼也さんと小関萌香さんも出席しました。休日に観光案内をするなどしてマリアさんと交流した高橋さんは、日本とデンマークの保健医療制度の違いなどについてプレゼンテーション。その後マリアさんが研修を振り返り、「医療費が原則無料のデンマークと異なり自己負担を要する日本で、どのような医療・看護が提供されているかを掘り下げたいと考えて研修を希望しました。患者さんの理解やケアに対する考え方はもちろん、スタッフの体制やチーム医療について実践的に学ぶことができ、指導してくださった皆さんに感謝しています。6月にカレッジを卒業しますが、この経験を生かし、国境を超えて活躍できる看護師になれるよう努力します」と語りました。
付属病院看護部の新田一美次長は、「互いの看護システムやケア、看護教育などを学び合うよい機会にもなりました。マリアさんの今後の活躍に期待しています」と述べ、指導した看護師からも、「明るく積極的に研修に取り組む姿勢からスタッフ一同が刺激を受けました。いつか共に働けたらうれしい」「交流を通して新たな視点に気づくことができました」といった言葉が送られました。最後に、今泉郷子学科長がマリアさんの努力をたたえ、修了証を授与。「病棟実習という新たな研修プログラムが実績として加わったことをうれしく思います。協力してくれた付属病院の皆さんにも感謝します。これを機にデンマークとの交流をさらに深めるとともに国際交流を活性化させていきます」と結びました。
※本学科では、1974年から続いた同カレッジと東海大学医療技術短期大学(2021年度閉学)の交流を引き継ぎ、21年2月に学術交流協定を締結しています。