総合医学研究所が「第27回公開研究報告会」を開催しました

総合医学研究所が3月12日に伊勢原キャンパスで、「第27回公開研究報告会」を開催しました。所員が1年間の研究成果を発表するため、毎年同時期に実施しているものです。今回は6名が報告し、医学部医学科の教職員や大学院生、生命科学統合支援センターのスタッフら約60名が参加しました。

本研究所は、基礎医学研究の成果を新技術の開発や臨床に生かし、総合的な医学の発展に寄与することを目的として1980年に創設。国内外から注目される多くの研究成果を発表しています。現在は、医学科の教員を兼務する所員19名と、所員が推薦した研究員が、「再生医学」「ゲノム医学」「創薬」「血液・腫瘍学」「肝臓・腎臓病学」の5部門に関する研究に従事。2023年からは、湘南キャンパスにあるマイクロ・ナノ研究開発センター(MNTC)、先進生命科学研究所とともに「次世代研究創成拠点」を構成し、医・理・工・経済学分野との連携による分野横断的な特色ある研究成果の導出を目指すとともに、若手研究者の育成を図っています。

当日は、初めに森正樹所長(副学長・医系担当、医学部長)が登壇。「本学が誇る卓越した研究者から、医学研究を牽引する成果を聞ける機会です。活発な討議を期待しています。」とあいさつしました。

続いて、本年度のコアプロジェクトを含む6テーマについて所員が研究成果を報告。各発表後には、今後の展開や臨床への応用などについて活発な質疑応答や意見交換を行いました。最後に松阪泰二次長(基礎医学系生体機能学領域教授)が、「来年度は5つの部門を再編し、新しい体制でスタートします。医学・医療のさらなる充実に向けて所員がさらに連携を深めるとともに、学内外との共同研究を推進していきましょう」と結びました。

※当日のプログラムは下記のとおりです。
[開会の挨拶]
森 正樹所長(副学長・医系担当、医学部長)

[研究報告]
◇今西 規【ゲノム解析研究部門】(基礎医学系分子生命科学領域教授)
「ゲノム情報からのヒト表現型予測の現在」
◇大塚正人【ゲノム解析研究部門】(基礎医学系分子生命科学領域教授)
「ゲノム編集マウス作製の現状と課題」
◇細川裕之【血液腫瘍学研究部門】(基礎医学系生体防御学領域准教授)
 ※2023年度コアプロジェクト
「T細胞の初期発生を誘導するNotchシグナルの解明」
◇八幡 崇【血液腫瘍学研究部門】(基礎医学系生体防御学領域教授)
「幹細胞制御薬を利用した再生・がん治療法の開発」
◇駒場大峰【肝臓・腎臓病学研究部門】(内科学系腎内分泌代謝内科学領域准教授)
「骨特異的Klotho過剰発現はFGF23を誘導する」
◇福田 篤【創薬・病態解析研究部門】(基礎医学系分子生命科学領域講師)
「X連鎖性疾患iPS細胞を用いた性特異的疾患の病態解明と創薬開発への展開」

[閉会の挨拶]
松阪泰二次長【肝臓・腎臓病学研究部門】(基礎医学系生体機能学領域教授)