【スポーツ・レジャーマネジメント学科】大津 克哉先生【教員紹介】

大津 克哉 准教授

おおつ かつや

所属 体育学部 スポーツ・レジャーマネジメント学科

学位

修士(体育学)

研究分野

体育・スポーツ哲学/スポーツ教育学/オリンピック教育

キーワード

#スポーツと環境 #持続可能性 #エコ活動の実践 #オリンピック


スポーツと環境 -スポーツの未来のために-

「スポーツと環境」の研究の必要性について

 スポーツ界における気候変動に関する取り組みや、持続可能性、SDGs への対応含め、これからますます重要な要素になっていくと思います。  

 今では、スポーツ競技団体の中に環境担当者が配置されたり、イベントや大会の会場でゴミの分別を行なっていたり、環境啓発ポスターを掲示するなどの取り組みが広がっていますが、もう少しグローバルな視点で語られるような「気候変動とスポーツの関係性」といったレベルを踏まえると、日本のスポーツ界における取り組みはまだ切迫感に欠けているように感じています。

 スポーツ活動やスポーツイベントの場面で、環境保全の活動が実践されることについて、なぜそういった活動が必要なのか、という理論根拠を明確にするといった意味でも環境教育の要素も重要になってきます。「現場の環境保全」と「環境教育」の側面が車の両輪のように実践がなされれば、スポーツを通じて地球環境が変わる、その可能性があると思います。

国際オリンピック委員会による環境問題への取り組みの経緯と効果

 IOCは1990年代初頭から「スポーツ」、「文化」に続いて「環境」をオリンピズム(オリンピックの精神)の3本柱とし、スポーツ競技団体の社会的責任として地球環境への最大限の配慮のもとでオリンピック競技大会を行うことを公表しました。それ以降、オリンピック大会の開催に伴うコスト面や地球環境に対する各種の影響についての検討がなされて、大会の規模やコストを削減し運営の簡素化を図ることを提言しています。しかし、環境保全は終わりのない活動と言われるほど、将来にわたって気を長く持ち、忍耐力、継続力の必要な活動ゆえに、その成果がどこまで実を結んでいるのかという点については依然捗々しい成果が得られているとはいえません。

 今後IOCは、持続性の確保は非常に重要かつ喫緊の課題であることの認識についての意識を高めるためにも、取り組むべき事項の優先順位を上げ、意識と行動強化を図る協調的な取り組みに各スポーツ団体を結集させ、巻き込んでいく姿勢がより一層求められます。

国内競技連盟の環境教育に対する役割と実行可能性

 国内競技連盟は、これまでの啓発活動を中心とした環境保全の取り組みを見直し、環境の持続可能性に向けた理念や行動計画のみならず、自身のスポーツ活動を通して実際に生じた環境破壊の事例や諸問題、将来にわたって生じ得るリスクや脅威に関する教育を充実させ、深化させていくことが求められます。

 その点を踏まえて教育活動を実行していくことが、スポーツ競技団体の果たすべき姿なのではないでしょうか。「未来世代に対して今よりも良い環境を残すこと」、そして、スポーツによる「自然循環と再生能力の保持」が担保される必要があります。この両要素を含む活動と教育が伴うことになれば、スポーツ界の恒常的な発展ならびに、未来世代のためにスポーツができる環境を十分に残こすことにも繋がることでしょう。 


大津先生が注力しているSDGs


スポーツ・レジャーマネジメント学科に興味がある受験生へ

 地球環境問題について知識はあるけれど、なかなか行動に移せていないという現状があります。しかし、学びを深めることで、例えばモノを大切に、使い捨てではなくて長く使えるものにお金を使うこと(高付加価値・低環境負荷のものを選択するといったグリーンコンシューマーになる)や、環境に配慮した行動をとる、環境に対する政策を支持する政党を応援することなど、地球の持続可能性を考えた行動変容を起こしてみませんか。 とにもかくにも、現在、世界が抱える喫緊の社会課題に対して関心が持てるようになって欲しいと思います。

本研究内容に関心がある外部の方へ

 地球温暖化による気候変動は、人類に都合よく変化してくれることはありません。私たち人間が適応していくしかないのです。そのため自然保護や環境保全の義務について、スポーツが環境と調和して発展していくためには、スポーツ界全体で取り組んで行く姿勢が今後一層求められます。

 スポーツ愛好家やアスリートをはじめ、スポーツ競技団体や関連業界の社会貢献として「スポーツの現場における環境保全」はもちろんのこと、環境教育の側面である「スポーツを通じた環境問題の啓発」、この両軸を推進していけば、スポーツは地球環境問題を解決する一翼を担う事も可能になります。

新たな社会づくりの力=人数×意識×行動

 「スポーツと環境」の接点について、ハテナ?だった人もなるほど!と気付けば「知識」が「意識」として変化します。そうしたらできることを一つ、テイクアクション(クールチョイス)です。その人数が増えればスポーツを通じて社会を変える大きな力になります。


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