体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科の大津克哉准教授が、6月22日に東京都新宿区・日本オリンピックミュージアム(JOM)で開かれた「オリンピックデーウィーク 2024 in JOM」で講演しました。オリンピックデーは、1894年6月23日に国際オリンピック委員会(IOC)が創設されたことから、1948年のIOC総会で制定された記念日です。毎年同時期には世界各地で多彩な催しが開かれており、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)が運営するJOMでは、6月18日から23日に「オリンピックデーウィーク」として、期間中に記念展示や歴代オリンピアンとの交流イベント、大学の研究者らを招いたシンポジウムなどを実施しました。
大津准教授は、22日に行われた「JOC&JOM大学ネットワークセッション」に登壇。中京大学スポーツ科学部教授の來田享子氏とともに、「オリンピック・ムーブメントと環境対策について考える」をテーマに講演しました。大津准教授はまず、地球温暖化や大気汚染、海洋汚染といった環境問題について説明し、異常気象によるスポーツへの影響を紹介。続いて、スポーツ施設開発に伴う環境破壊や大規模イベント開催で発生するごみと二酸化炭素の増加量に触れ、「多くの人々を魅了し、熱狂させるスポーツですが、一部では環境を破壊しながら実施している側面もあります。オリンピックの開催地を決める際にも、環境保全団体による反対運動が起きたことがあります。子どもや孫の世代にまでスポーツを楽しめる環境を残すのは私たちの使命。アスリートは多くの人から注目を集め、社会的な発信力を持った存在だからこそ、環境問題の啓発活動を展開するなど日常生活でもフェアプレーが求められています」と語りました。また、「スポーツを支える側・見る側の意識改革も必要」として、IOCが推進するアフリカでの大規模植樹事業「オリンピックの森」やスポーツ観戦者によるごみ拾い活動などを紹介しました。今夏に開催されるパリ五輪について、「今大会で使われる会場の95%が既存、または仮設で構成され、観客の100%が公共交通機関や自転車、徒歩で会場を移動することになっています。市内競技会場ではペットボトルの持ち込みも禁止され、使い捨てプラスチックのない大会も目指しており、これまでで最もサスティナブルな大会になるでしょう。今年の夏は、アスリートの活躍だけでなく、環境に配慮した大会運営にも注目してください」とまとめました。
講演後には、來田氏やソルトレークシティー大会、北京大会、ロンドン大会などに参加したオリンピアン4名とともに、パリ五輪を見据えた「オリンピック・ムーブメントを考える」をテーマにディスカッション。大津研究室の学生もオンラインで参加し、授業や実習で培った知識や考えを発表しました。