小山孟志准教授が第13回日本アスレティックトレーニング学会学術大会で「優秀発表賞」を受賞しました

体育学部競技スポーツ学科の小山孟志准教授が9月14、15日に、愛知県・中京大学豊田キャンパスで開催された第13回日本アスレティックトレーニング学会学術大会で「優秀発表賞」を受賞しました。同学会は、アスレティックトレーナーが関わるあらゆる領域の科学的研究とその発展、アスレティックトレーニング学の普及・発展に寄与することを目指して設立されたものです。

小山准教授は、アスリートのパフォーマンス向上や外傷・障害予防を目的として、トレーニング負荷の定量化や体力、疲労の評価の研究に取り組んでいます。受賞した演題は、「ジュニアバスケットボール選手における膝成長痛の発生状況、危険因子および休止期間に関する調査」です。本学科の笹木正悟准教授らと協力し、インターネットリサーチを使って保護者480名に対して成長期にあるバスケットボール選手の膝痛の現状を全国規模で調査しました。その結果、21%の子どもが膝の成長痛を自覚していると回答し、練習量の多さに加えて身長の高さが危険因子であることを解明しました。また、成長痛があってもプレーを休止しない、もしくは最小限の休止期間でプレーを継続している子どもが75%と大半であるという実態を踏まえて、指導者や保護者への啓発活動が必要であると指摘しました。

「背が高い子どもが集まるバスケットボール競技は、特に成長期に膝痛を訴える割合が高く、我慢して練習を続けているうちに重篤化し、いつまでも全力でプレーができない、高いパフォーマンスが発揮できないという状況を目の当たりにしてきました。諸外国ではジュニア選手に対して練習時間や日数などの推奨負荷量が提示され、過度な負担を減らすための工夫がされています」と小山准教授。受賞について、「大変光栄に思います。これまでトップアスリートを対象に蓄積してきたさまざまな知見を、次は育成年代の子どもたちに還元できるような研究を進めていきたいと考えています。今回の成果をきっかけに、成長期の子どもに対して、いつどのようなトレーニング負荷をかけたらいいかといった検証を継続するとともに、実践の場として地域のバスケットスクールの中でさまざまなスポーツの楽しみ方を伝えていきたい」と話しています。