経済学科・田村輝之准教授の共著論文が学術雑誌『Journal of Economic Behavior & Organization』に掲載されました。

政治経済学部経済学科の田村輝之准教授の共著論文『Votes for excluded minorities and the voting behavior of the existing majority: A laboratory experiment』(https://doi.org/10.1016/j.jebo.2023.03.014)が掲載されました。
<共著者:肥前洋一教授(高知工科大学)・上條良夫教授(早稲田大学)>

 近年、外国人参政権や選挙権年齢引き下げなど「選挙権の拡大」が活発に議論されております。さらに、子どものように自ら投票が難しい場合には、親(あるいは有権者のうち適切な人々)の代理によって投票してもらうという革新的な投票方式も提案されています。
 本論文では、大学生を対象とした実験室実験により、選挙権が拡大された際の投票行動への影響を検証しました。実験の結果では、例えば、代理票が導入された場合には、それを与えられた人たちがしっかりと代理として、その人たちのために投票するか否かという点に注目が集まるものの、代理票が与えられなかった人たちの一部が自分たちを利するように投票行動を変えてしまうこと、加えて、この代理票を与えられた人たちの一部も、自分たちを利するように代理票を用いてしまうことなどが観察され、選挙制度改革によって想定されるほどには、代理の対象となる人たちの声が反映されないという結果に陥ってしまう可能性が示唆されました。