政治学科の出雲准教授が「第9回自治体学会」で自治体学研究奨励賞を受賞しました

政治経済学部政治学科の出雲明子准教授が、8月23日に大阪府の堺商工会議所で開かれた「第9回自治体学会」で自治体学研究奨励賞を受賞しました。自治体や地域の問題に関心を持つ人が集う同学会では毎年、学会大会開催時に学会賞委員会が3つの賞を選考、表彰しています。自治体学研究奨励賞は、この1年間に学会誌『自治体学』に掲載された研究論文から選ばれるもので、今回は出雲准教授の「働き方改革と公務労働―同一労働同一賃金による労働法と公務員法の接近―」が評価されました。

出雲准教授は論文で、自治体行政の現場では介護や教育、子育て、防災などの需要が高まり、臨時・非常勤職員が増えている実態や、正規・非正規労働者間の待遇差が諸外国と比較しても大きいことなどを解説。地方公務員法と地方自治法が改定され、2020年4月から自治体や大企業では非常勤職員の待遇を改善するために「会計年度任用職員制度」が導入されることにも触れ、「正規と非正規の違いによって、同じ仕事をしていても枠組みが違うために給与や昇給の差が生じています。新たな制度が導入されることによって同一労働同一賃金化が進むことが期待されています。一方で、そのための財源をどこから確保するのか、同等の給与を払えないがために非正規職員の仕事を減らし、正規職員の仕事量が増加することも考えられます」と指摘しました。一方で、今回の法改定を前向きにとらえ、「解決していかなければいけない課題はありますが、非正規職員の待遇が改善されれば、賃金差などの理由から不足している保育士や保健師が増えるなど、国民生活にとってメリットになるはずです」とまとめました。

受賞を受け、「このような賞をいただけるとは思ってもいなかったので驚きました。今後もこの分野の研究を続けていきたい」と意気込みを語りました。

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