学生が室内環境学会学術大会の大会長奨励賞を受賞しました

大学院理学研究科化学専攻1年次生の太田栞さんと理学部化学科4年次生の大越優里さんが、12月5、6日に東京都新宿区で開催された室内環境学会学術大会 で研究成果を発表し、大会長奨励賞(ポスター部門)を受賞しました。この学会は、室内環境にかかわる諸問題についての研究の発展・促進などを目的に毎年開 催されており、参加した研究者の中から研究成果や発表技法が優れているものに奨励賞が贈られます。

太田さんと大越さんは、大気汚染を引き起こす物質の一つといわれている微小粒子状物質(PM2.5)と、大気中に含まれる10ミクロン以下のサイズの浮遊 粒子状物質(SPM)について、そのヒトに対する有害性をジチオトレイトール(DTT)法により調査。湘南キャンパス17号館の研究室内と校舎屋上で採取 したサンプルを比較し、4種類のうち屋上で採取したPM2.5のサンプルが高い有害性を示すことを明らかにしました。今回の研究では、化学科の関根嘉香教 授の指導を受けながら、海外の論文をもとにサンプルの新たな分析方法を確立するなど研究手法の開発にも取り組みました。

太田さんは、「PM2.5という粒子の総称はよく知られていますが、その発生場所や毒性についてはまだ明らかになっていないことが多くあります。これまで の研究で分析手法の基礎は確立することができたので、今後は改善を重ねてより簡単に調査できる方法にしていくとともに、毒性物質が人体にどのように影響す るのかについても考察していきたい」と話しています。また大越さんは、「これまでの調査でも、季節や天候によって集まる粒子の種類や濃度に大きな変化があ ることがわかってきました。今後は観測地点を増やしながら、より幅広い視点から分析していきたい」と語っています。

学生が室内環境学会学術大会の大会長奨励賞を受賞しました