大学院総合理工学研究科では6月28日に湘南キャンパスで、国内外の専門家による共同ゼミナールとのジョイントシンポジウム「有機合成化学の一日」を開催 しました。この催しは、有機合成化学の最先端の知識を学ぶ機会として本研究科と有機合成化学協会関東支部、東海大学総合研究機構の研究プロジェクト「元素 機能探索プロジェクト」の共催で行ったもので、学生や教職員ら約100名が参加しました。
当日はまず、イギリス・カーディフ大学教授のトーマス・ヴィルト氏がセレンとヨウ素を含む化合物の化学合成に関する最新の研究動向を共同ゼミナールとして 紹介。その後のミニシンポジウムでは、井上宗宣氏(公益財団法人「相模中央化学研究所」精密有機化学グループリーダー)と冨田育義氏(東京工業大学教 授)、中村栄一氏(東京大学教授)が登壇し、それぞれが取り組んでいる研究を解説。中村氏は、自身が学会や研究活動で海外に行った際に撮影した写真を交え ながら、「若い人たちはぜひ海外に目を向けてください。特に仕事を持って半年や1年にわたって長期間滞在することで、多くのことを学べるはずです」と語り かけました。
終了後の懇親会・情報交換会では、岩岡道夫教授(理学部化学科)や稲津敏行教授(工学部応用化学科)ら「元素機能探索プロジェクト」に参加している教員や 学生の研究成果を紹介するポスターセッションも行われ、講師の先生方を交え、参加者同士で活発に意見交換をする姿が見られました。
【発表テーマ】
トーマス・ウィルト教授
「Advanced Concepts for Catalysis in Synthesis and Flow Chemistry」
井上宗宣氏
「フッ素の特性を活かした含フッ素化合物の合成法の開発」
冨田育義氏
「高分子反応で挑む多彩な元素ブロックπ共役高分子」
中村栄一氏
「有機鉄触媒による炭素―水素結合活性化」