大学院生の江口さんが第41回日本バイオレオロジー学会年会で優秀ポスター賞を受賞しました

大学院総合理工学研究科総合理工学専攻2年次生の江口和也さん(指導教員=喜多理王教授:理学部物理学科、マイクロ・ナノ研究開発センター)が、6月16、17日に名古屋で開催された第41回日本バイオレオロジー学会年会で優秀ポスター賞を受賞しました。この賞は、同学会のポスター発表参加者の中から、優れた発表者に贈られるものです。

江口さんは、「ポリ乳酸裁断化超薄膜分散液のレオロジー特性の評価」の研究について発表。本研究で用いたポリ乳酸超薄膜は、本学のマイクロ・ナノ研究開発センターがマイクログラビア塗工を応用して作製したもので、医療をはじめとする幅広い分野への応用が期待されている新材料です。江口さんは、工学部応用化学科の岡村陽介准教授や機械工学科の砂見雄太講師と共同でこの新材料を研究しています。中でも、ポリ乳酸裁断化超薄膜を液体中に分散させた分散液の粘性特性を明らかにする研究を担当し、今回の発表において低濃度では流体の特性に関する既存のレオロジー(流動学)特性を示す一方、高濃度になると今までとは異なる特性を示すことを明らかにしました。

受賞を受けて、「レオロジーという学問において、近代から現代にかけてアインシュタインをはじめとするさまざまな研究者が分散液系の粘度式を提唱してきました。その中で今回の新たな特性を持つ分散液の存在を明らかにできたことは、この分野に新しいページを加えられるかもしれないと期待しています。分散液の特性を知ることは、この材料が今後どのような分野に応用できるかを明らかにするうえでも大変重要であり、より詳細に研究してその特性をさらに深く解明したいと考えています。理学部物理学科は、最先端の分野に挑んでおり、学生もその一端を担い、新しい世界を切り拓く楽しさを実感できるのが魅力だと思います。私が研究しているレオロジーは、身の回りにある水をはじめとする液体の挙動解明を目指す身近な学問であるだけでなく、新規材料の開発によって今後も新たな発展が期待できます。今回の研究成果をはじめ、より多くの研究を今後も積極的に発信していきたい」と話しています。

日本バイオレオロジー学会_525.jpg