情報数理学科の学生が情報処理学会で研究成果を発表しました

理学部情報数理学科3年次生(当時)の大門巧さんが、2月16日に東京・日本大学文理学部で開かれた「情報処理学会コンピュータと教育研究会148回研究発表会」で、「教育用プログラミングソフト『Progress』を用いた授業における学習効果について」という論文題目で研究成果を発表しました。

2022年に改訂される高校の学習指導要領では、情報科の授業で全ての生徒がプログラミングのほか、ネットワーク(情報セキュリティを含む)やデータベースの基礎等について学習することになります。教員を志す大門さんは、本学部の開講授業「情報科教育法1」(担当=間辺広樹非常勤講師)を履修する中で、プログラミングを高校生に教える効果的な手法を検討。ループ構造と5つの命令だけで図形を描くプログラミングソフト「Progress」を開発し、昨年秋に、間辺非常勤講師が務める神奈川県立柏陽高校で教育効果を調査しました。間辺非常勤講師が担当する情報の授業で「Progress」を使用し、操作の難易度が高いモードのみ使用したクラスと、最初は難易度の低いモードで基礎を学び、授業の後半から難易度を上げたクラスごとに習熟度を測定し、徐々に難易度を上げたクラスの方がより技術を習得できていると検証。実験方法と成果を論文にまとめ、学会で発表しました。

大門さんは、「論文を書くのは初めてだったので不安もありましたが、先生方の指導のもと完成させることができ、自信につながりました」と振り返ります。また、「勉強はやらされるのではなく、好奇心を持って自ら取り組まないと力がつきません。『Progress』を用いた授業では、生徒たちが楽しんで学んでいる様子だったので安心しました。プログラミングを学ぶうえで英語が課題になるかと思っていたのですが、現在の高校生は日常的にパソコンを使わない人が多いため、基本的な操作につまずくケースが多いことに気づきました。プログラミングにはパソコンのスキルが必須なので、そういった課題を解決できるソフトの開発も続けたい」と語っています。

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