観光学科の田中伸彦教授が執筆者を務めた『森林環境2020』が発刊されています

観光学部観光学科の田中伸彦教授が研究会メンバーとして編集を行うとともに執筆者の一人として寄稿している公益財団法人森林文化協会の書籍『森林環境2020』(森林環境研究会編著、原田一宏+井上真責任編集)が3月15日に発刊されています。本書籍はみどりや環境に携わる研究者やジャーナリストで組織されている森林環境研究会が、1年間にわたって実施してきた調査や研究、取材の成果をまとめる年報として毎年発行されているもので、有料の印刷版のほか森林文化協会のウェブサイトで無料公開されています。今年度は「暮らしの中の熱帯」をテーマにした15本の特集論文に加え、4本のトレンド・レビュー、緑のデータ・テーブルで構成されています。

森林環境研究会の座長代理も務める田中教授は、トレンド・レビュー欄の執筆を担当。「ガーデンツーリズムに期待されている地域振興」と題して、2019年度から国土交通省を中心に進められている制度を紹介。地域活性化と庭園文化の普及を図るために各地域にある複数の庭園が連携し、魅力的な体験や交流を創出する「ガーデンツーリズム」について考察しました。田中教授は、「日本には、伝統的な日本庭園から近代的なフラワーガーデンまで、世界水準の美しい庭園が、北海道から九州にかけて広く存在しているのに、イギリスなどと比べると、ガーデンアイランドとしての認知度が低く、ナショナルブランド化に成功していない」と指摘するとともに、国交省による「ガーデンツーリズム登録制度」の概要や観光面での特徴を検討。「日本の観光シーンでは体系化されてこなかったガーデンツーリズムが発展することで、日本各地に新たな観光地をつくり、マネーフローを起こす地域経営にたけたDMO(Destination Management Organization=観光地域づくり法人)が根付くことにつながる」とまとめました。